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高梨沙羅が号泣「まるでドラマ」だったスキージャンプ団体銅メダル…レジェンド・船木和喜はどう見たか?「いちばん褒めてあげたい」挙げた“ある選手の名前”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto / JMPA
posted2026/02/14 11:02
それぞれが力を出し切り、混合団体で銅メダルを獲得した日本チーム
スロベニアとなぜここまで大差がついたのか?
それでも金メダルまでは届かなかった。そう言えるくらい、優勝したスロベニアは図抜けていた。点数にして1069.2点、2位のノルウェーは1038.3点、日本は1034.0点。大差である。
「スロベニアはプレブツ兄妹もいますが、ここまで点差が開いた理由は兄妹以外の2名、1番手と2番手の選手にあります。2人とも、思っていた以上に距離を出して、個人戦でふつうにメダルを獲れるくらいのポイントをたたき出した。ほんとうはそこでスロベニアに対して差をつけようと思っていたのに、逆になってしまった。世界中、ここまで点数が開くとは思わなかったと思います」
そこはスロベニアの地力の高さを認めるほかない。
「僕には彼女の気持ちは想像できません。ただ…」
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混合団体は、前回の北京五輪の出来事もあり、今大会も大きな注目を集めていた。高梨沙羅がスーツの規定違反とされ失格となったことだ。
あれから4年、高梨をどうみていたか。
「僕には彼女の気持ちは想像できません。僕はジャンプスーツで失格になったことがないんですよ。前回の北京オリンピックのときには、『準備不足』とコメントさせていただきました。選手がやってはいけないことですから。ただ、それはかなりのストレスになったと思いますし、逆に力に変えてこれたかもしれない。そのおかげで周りのサポートが手厚くなった可能性もある。
たぶん彼女の中では、あの失格は一生背負っていくものだと思います。消せない過去ですから。メダルを獲って、そこから解放されたわけではないですが、メダルを獲れたことで、迷惑をかけたということに対して多少なりとも返せたという思いもあるのではないでしょうか」

