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「化け物ですね」2カ所骨折でも出場・平野歩夢のミラノ五輪だけじゃない“鉄人伝説”を仲間が証言「普通に滑っていて骨折を忘れていた」
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byNanae Suzuki/JMPA
posted2026/02/13 11:02
五輪直前に大きな怪我を負った平野だが、普通なら考えられないような状況でパイプに立った。これまでも何度も見せてきた復活ぶりを仲間の証言で追った
2人とも転倒したシーンは映像で見たといい、平野流佳は「僕はあばら骨が折れたことがないので痛みがわからないですけど、痛いと思う」と表情を曇らせていた。
戸塚は「世界選手権はパイプがガタガタで天気も悪くて見えないという状況だったので、本当に誰がいつ転倒してもおかしくないという難しいコンディション。すごく痛そうでした」と当時の状況を話していた。
可能性がある限り勝負に挑む選手
2人の話から分かるのは、平野は可能性がある限り、勝負に挑もうとする選手だということだ。思い返せば17年3月には試合中の転倒で内臓と左膝を負傷し、全治3カ月の大けがを負ったが不屈の魂でよみがえり、翌年2月の平昌五輪で銀メダルを獲得した。
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今回も弟で北京五輪9位の平野海祝が、兄が骨折した数日後に自身のSNSで「あなたが生きていてくれて良かった」と綴るほどの大けが。それでもミラノ・コルティナ五輪の舞台に立つからには最後まで諦めずに勝負に挑むつもりで、平野自身、「1%でも可能性があるなら」と強い気持ちを持っている。
予選では1回目にフロントサイドダブルコーク1440を決め、2回目は北京以降の4年間でずっと取り組んできたスイッチバックサイドのダブルコーク1260をルーティーンに組み込んだ。
今回のパイプはサイズが小さめで、平野にとっては決して得意なパイプではない。ケガの痛みもある。でも、諦めるつもりはまったくない。決勝は自分の生き様をルーティーンで表現する。そんな試合になりそうだ。

