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「化け物ですね」2カ所骨折でも出場・平野歩夢のミラノ五輪だけじゃない“鉄人伝説”を仲間が証言「普通に滑っていて骨折を忘れていた」
posted2026/02/13 11:02
五輪直前に大きな怪我を負った平野だが、普通なら考えられないような状況でパイプに立った。これまでも何度も見せてきた復活ぶりを仲間の証言で追った
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Nanae Suzuki/JMPA
ここに立っているだけで奇跡なのに、決勝進出まで果たした。
ミラノ・コルティナ五輪スノーボード男子ハーフパイプの予選が2月11日夜(日本時間12日未明)にイタリア北部のリビーニョ・スノーパークで行われ、北京五輪金メダルの平野歩夢(TOKIOインカラミ)が85.50点で7位になり、上位12人による13日夜(日本時間14日未明)の決勝進出を決めた。
1月17日のワールドカップ第5戦(スイス・ラークス)で転倒。板が折れ曲がるほどの衝撃で、骨盤の右腸骨と鼻骨の2カ所を骨折し、極度の打撲を負った右膝は2倍に腫れ上がった。
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それから3週間余り。常識では出場すら難しいと思われる状況を覆し、不可能を可能にしてしまった。
誰もが驚く回復スピード。「痛みありき」(平野)でも飛び、着地する精神力。それを間近で見てきたのが選手仲間だ。
歩夢くんが骨折していたのを忘れていた
2月8日にあった公式練習後の囲み取材で、五輪初出場の山田琉聖(JWSC)は、平野がイタリア入りしてから連日公式練習をこなしていることについて聞かれ、「化け物ですね」と言った。
「正直、歩夢くんが骨折していたっていうのをちょっと忘れていて、普通に滑って、終わってからみんなで最後に話していた時に『そういえば歩夢くん、骨折していたよね』みたいな会話になって。本当に、忘れるぐらいの滑りはしてるかな」
山田は平野がケガをしたスイスでのワールドカップにも出場しており、ケガがどれだけ深刻だったかを重々分かっている。それでも「忘れるぐらい」だった。
スノーボードは負傷リスクの高い競技だ。平野はこれまでに何度もケガに見舞われてきたし、ケガを抱えながら試合に出たこともある。

