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「やっぱりなんかやってたかと…」ジャンプ日本代表スーツ職人が振り返る“スーツ・スキャンダル”の衝撃…でもルール改正は「日本潰しとは思わない」
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2026/02/13 17:02
4年前の北京五輪では高梨沙羅がスーツの規定違反で失格の憂き目に。その後もノルウェーチームの組織的不正など、スーツ問題は続いた
今季W杯で日本代表のスーツ違反による失格は複合での1件。次戦出場停止となるイエローカードはまだ一度ももらっておらず、これは他国に比べれば非常に優秀な成績だ。
日本が銅メダルを獲得した10日に行われた混合団体では、1回目を飛び終えた高梨が今回もマテリアルの検査に呼ばれたが、何事もなく通過した。高梨は「今シーズンはずっとパスし続けてるので、自信を持ってそこは行きました」と試合後に語っていた。
スーツのルールは毎年のように変容している。近年は選手の飛びすぎを抑制し、安全性を高める方向にあるという。
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今季も股下や袖下の長さの許容量が減り、より体にフィットしたものになった。ただし、スーツがタイトになって空中での速度が高まると、着地の衝撃も大きくなる。女子はオリンピックのリハーサルとして行われたサマーグランプリで膝の負傷者が続出したため、男子に比べてゆとりを大きくする変更がなされた(これにはジャンプ台の形状も影響していたようで、今五輪に向けて踏み切りの部分が改修された)。
スーツのルール変更は…「日本潰し」なのか?
スーツのルールが変わると聞くと、不思議と「日本潰し」「日本不利のルール変更」といった根拠のない言説が湧いてくるが、最前線にいる立場から、尾形は「僕は日本を潰そうとしてルールが変わってるとは思わないです」とはっきりと言う。
「FIS(国際スキー連盟)だってIOCからジャンプをもっと盛り上げて、面白いコンテンツに、そしてグローバルにしなさいと言われている。そんな時にひとつの国を狙って潰すなんて悪手だし、そんな余裕もない。ノルウェーの問題が起きた後はFISの人がめちゃくちゃ怒ってましたよ。『世界からジャンプがどう見られるか考えろ』『そんなこと今してる場合じゃないんだ』って」

