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「やっぱりなんかやってたかと…」ジャンプ日本代表スーツ職人が振り返る“スーツ・スキャンダル”の衝撃…でもルール改正は「日本潰しとは思わない」
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2026/02/13 17:02
4年前の北京五輪では高梨沙羅がスーツの規定違反で失格の憂き目に。その後もノルウェーチームの組織的不正など、スーツ問題は続いた
その後、国際スキー連盟(FIS)もスーツ問題をクリアにするべく、3Dスキャナーによる身長、股下測定などあれこれと施策が練られてきた。
ところが、ジャンプ界は昨シーズンまたしてもスーツ絡みの大騒動に見舞われた。昨年3月にノルウェーで行われた世界選手権で、ノルウェー代表のスーツ不正改造が発覚。その発端はSNSに投稿された、隠し撮りされた動画だった。
スタッフがスーツに違法な生地を縫いつけている姿がはっきりと映っており、同代表のコーチやスタッフが更迭され、選手もメダルをはく奪された。同代表からスポンサーが撤退するなど、ノルディックの母国が起こした「スキャンダル」として世界の大きな注目を集めた。
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尾形は事件についてこう振り返る。
「やっぱりなんかやってたかみたいな気持ちと、同時に怖いなとも思いました。動画が出てきてなければ、彼らは今も見つからずに不正をしているかもしれない。そういう怖さというか、不思議な感情になりました」
そうした流れを受けての今回のオリンピック。FISとしても、オリンピックで何かがあってはいけないという思いは強いはずだ。
必要なのは「どこで何を測られてもクリアできる」こと
ノルウェー事件後はFISによるスーツの一元管理が試みられたり、今シーズンは検査が厳格化され、通常はジャンプ台の下で行う検査が抜き打ちでジャンプ台の上で実施されるなど(それでスロベニアの男子選手が3ミリの違反で失格になった)、取り締まりの強化も図られている。
「いつ何が測られてもおかしくないルールなんです。手順が違うのは困るけど、抜き打ちでの検査も起こりえる競技。だから、僕らはどこで何を測られてもクリアできるように準備する。そこに9割以上の力を注いでいます」

