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ミラノ五輪本番当日…“まさかの変更”で銅メダル獲得秘話 直前練習「しっくりこない感じ」から丸山希は何を変えた? 高梨沙羅も「勇気もらった」と感激
posted2026/02/08 17:01
メダルが確定しガッツポーズの丸山希と伊藤有希(左)、高梨沙羅の先輩コンビ。女子ジャンプを牽引してきた2人との絆が見える瞬間だった
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Tsutomu Kishimoto/JMPA
残るは3人。ここでトップに立てばメダルが確定する。そうでなければ後続の結果次第とはいえ、かなり厳しい状況に追い込まれる。
「普段あんまり緊張しないんですけど、1本目も2本目もすごく緊張していました」
初めて味わうオリンピックの雰囲気の中、勝負をかけた2本目。スタートを切って空中に飛び出した瞬間、丸山希は思った。
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「いける!」
その手応えはすぐに確信に変わった。着地すると、ランディングバーンの奥に高梨沙羅と伊藤有希の姿が見えたからだ。長く日本代表の中心であった2人がぴょんぴょん跳ねて喜んでいるのを見れば、まだ得点は表示されていなくてもメダルに届いたことはわかった。
「飛んでいる方は(トップの選手を)超えられたかどうか分からないものだけど、2人が喜んでいる姿を見て確信しました」
出迎えてくれた2人と抱き合い、今度は3人一緒になってぴょんぴょん跳ねた。
K点を越える100.0mのビッグジャンプでトップに立ってメダル確定。ニカ・プレブツ(スロベニア)、アンナ・オディネ・ストレム(ノルウェー)に抜かれ、最終的に銅メダルとなったものの、今大会の日本勢メダル第1号となった。
「今シーズンが始まるまで、私がこんなところに来るとは私も想像してなかったですし、たぶん誰も想像してなかったと思うんです」
10代から世界で活躍…「先輩でライバル」たちの存在
丸山は高梨と2つ、伊藤とは4つ年が離れている。
10代から国際舞台で活躍してきた2人とは違う道を歩んできた遅咲きの27歳。大学を卒業して1年目、ようやく初めての五輪出場に手が届きそうだった前回の北京大会は、その4カ月前の国内戦で転倒。左膝の靭帯や半月板を損傷するなど、またゼロからの再スタートを余儀なくされた。
時間をかけて元の状態を取り戻し、さらに大きく開花したのは昨年の夏だった。夏のグランプリ最終戦で国際大会初優勝を飾ると、その勢いのまま迎えた冬シーズンでもW杯で開幕から個人戦3連勝と一気にブレークした。

