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「トラックとかとぼけたことを言っちゃダメ」青学大・原晋監督が別大マラソンで激励の“意外な相手”とは? 箱根駅伝の最強ライバルが見た「青学メソッドの衝撃」 

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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photograph byNanae Suzuki

posted2026/02/04 11:03

「トラックとかとぼけたことを言っちゃダメ」青学大・原晋監督が別大マラソンで激励の“意外な相手”とは? 箱根駅伝の最強ライバルが見た「青学メソッドの衝撃」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

「トラックではなくマラソンで勝負」と主張する青学大の原晋監督。別大マラソン後には他大学のエースにも原流の「激励」が

 33kmを過ぎて世界陸上ロンドン大会日本代表の井上大仁(ひろと)(三菱重工)ら招待選手が遅れはじめたあとも、黒田や吉田と肩を並べて、前を走るゲタチョウ・マスレシャ(エチオピア)を追いはじめた。やがて36kmから遅れたが、踏ん張りどころを耐えて、このレースでのMGCラスト1枠をもぎ取ったのである。溜池は息も絶え絶えになりながら、大きな果実を摑んだ。

 それでも悔しさも隠さない。

「35kmまでは自分のなかでうまくいきましたが、後半の3kmはまったく動きませんでした。箱根の疲れもありました。箱根が終わって1カ月での調整は、すごく難しかったです」

ライバル校のエースが見た「黒田朝日の強さ」

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 そして、レースを走るなかで、目を引いたのが黒田の充実ぶりだった。

「自分よりも箱根では難しい区間で、ダメージはあったと思います。そういうなかでも、自分の力を最後まで出しきれるのはスゴい。自分もそういうところは勉強していかないといけないですね」

 黒田と戦い、気づいたこともあった。

「42.195kmのなかで無駄な動きが一切なかったんです。これは想像なのでわからないですけど、ずっと自分と対話しながら、自分が100%を出しきれる走りをしていたのではないでしょうか」

 そうなのだ。レース序盤、黒田はテレビ中継車のカメラに映らない時間が長く、集団にいるのかいないのかわからないほど、存在感を消していた。いつものように時計をつけず、集団の真ん中にポジションを取り、悠然たるものだった。

 だが、勝負所になると、黒田は颯爽とレースの主役に躍りでたのである。

 34km。青山学院大OBでGMOインターネットグループの鈴木塁人が飛びだすと先陣を切って追いかけはじめた。静から動へのギアチェンジはマラソンが2度目とは思えない鮮やかさで、学生トップクラスの走力を誇る溜池に強い印象を残した。

【次ページ】 黒田の好走は「『青学メソッド』を3年間やれたからこそ」

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