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箱根駅伝の監督会議で「繰り上げだけは勘弁してくれよ」“舐められた”日本学連選抜の怒り…「クリスマスも“野郎ばっか”で合宿」寄せ集めチームの絆
posted2026/01/30 11:32
2004年の第80回箱根駅伝、往路スタート直後。写真左端が日本学連選抜の白濱三徳(徳山大)
text by

小堀隆司Takashi Kohori
photograph by
Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT
他大学の監督「繰り上げだけは勘弁してくれよ」
2003年12月上旬、千葉の検見川にある東大グラウンドを借りて、日本学連選抜チームの1泊2日の選抜合宿が組まれた。そこである「事件」が起きる。主将を務めていた京都産業大の中川智博が語る。
「確か1日目の夕方だったと思うんですけど、マネージャーをしてくれていた鈴木君(当時の日本学連幹事長)がプンプン怒っていて。理由を聞いたら、『オレは悔しい。監督会議に出席したら、他大学の監督から“繰り上げ(スタート)だけは勘弁してくれよ”と言われた』と。ようするに、足手まといになるなということですよね。それを聞いて、みんなの目の色が変わったというか。僕にも火がつきました」
あまりにも軽率な発言だが、図らずしてその言葉がチームを結束へと導いた。
「打倒、関東」怒りの決起集会
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最年長の片岡祐介(北海道教育大旭川校大学院)が音頭を取り、その夜は選手だけで懇親会を開いた。近くのスーパーに買い出しにでかけ、ビール好きの片岡は缶ビールを傾けながら入賞への思いを熱く語った。調子の上がらなかったキャプテンの中川も、「自分がなよなよしている場合じゃない」と腹を括ったという。
「打倒、関東」
そこから、この言葉がチームの合言葉になっていく。
「そういう意味では、鈴木君も殊勲者なんですよ。そういった情報をチームに持ち帰って、悔しいと言ってくれた。実際は『ふざけんなよ』ってちょっと汚い言葉を使ってましたけど(笑)。あれでチームに芯が通りましたから。翌日の練習は16000mのペース走でしたけど、集団で走って誰一人こぼれ落ちなかった。あれはもはや、寄せ集めチームの練習ではなかったですね」
それでもまだ、チームは一枚岩になったとまでは言えなかった。「打倒、関東」を掲げたものの、このチームには関東の大学の選手が5名含まれていたからだ。

