甲子園の風BACK NUMBER

「荒れた大阪の男子校」が激変していた…“負のイメージ”なぜ一新できた?「生徒のジャージはアディダス製」興國高の敏腕理事長が明かす変革ウラ側 

text by

柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

PROFILE

photograph byYuji Yanagawa

posted2026/01/15 11:02

「荒れた大阪の男子校」が激変していた…“負のイメージ”なぜ一新できた?「生徒のジャージはアディダス製」興國高の敏腕理事長が明かす変革ウラ側<Number Web> photograph by Yuji Yanagawa

1年生が22クラス、3学年あわせると60クラスというマンモス校になった興國高校(大阪)

「『国を興す』という意味の右翼みたいな校名を変えずに(笑)、一度は共学となりながらも再び男子校となり、現在までそれを貫いてきた。周囲の男子校が共学になるなか、学校運営としては世の中に逆走しているように映るかもしれません。ただ、私が女性だからあえて言いますが、女性に優しいこの世の中にあって、『男性にも優しくしてあげなきゃいけないんじゃないの?』という考えが根底にある。高校生の年代の男の子たちがやりたいことをやらせてあげる。もちろん失敗もあるんですよ。失敗があっても、まだ若いじゃないですか。いくらでもやり直せると思うんです」

 草島氏の言う「失敗」——。昨年11月1日、大阪屈指の強豪であるサッカー部は大阪大会を制した。しかしその直後、部員数名の飲酒が発覚した(そのうちひとりが緊急搬送されて大問題に発展した)。大阪大会の決勝は全校応援だった。それゆえ草島氏は事件発覚後、まずは全校集会を開き、全生徒の前で事件を詫びた。そのうえで、高校選手権に出場するかどうかはこれから考えていくと報告した。

サッカー部員の飲酒発覚…出場を決断するまで

 昨夏、高校野球では広島の広陵高校で起こった集団暴行事件が明らかになり、同校は夏の甲子園を途中で辞退した。270人もの部員がいる興國のサッカー部も選手権への出場を辞退すべきなのか——草島氏は逡巡した。

ADVERTISEMENT

「サッカー部とは関係のない、ある生徒にこんなことを言われたんです。『小さな頃から真面目にサッカーに取り組んできた子もいます。その子たちやずっと応援してきてくれたそのお母さんの気持ちを第一に考えて、出場するという選択肢を絶対に捨てないでください』と。サッカー部ではない学園の生徒がサッカー部の問題を一緒に考えてくれているんだと、私は心の底から感動しました」

 草島氏は幾度もミーティングを重ね、当事者たちやその保護者にヒアリングした。

【次ページ】 生徒のジャージはアディダス製…他校も視察に

BACK 1 2 3 NEXT
#東大阪大柏原高校
#PL学園高校
#興國高校
#土井健大
#大阪桐蔭高校
#大阪偕星学園高校
#履正社高校
#桑田真澄
#清原和博

高校野球の前後の記事

ページトップ