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大腿骨骨折しながら区間新も「最低限です」…最後の箱根駅伝を駆け抜けた駒澤大・佐藤圭汰と同期たち「なんとしてもチームに貢献したかった」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga(3)/Nanae Suzuki(1)
posted2026/01/09 11:02
駒澤大学の4年生4人衆。左から箱根3区の帰山侑大、6区の伊藤蒼唯、8区の山川拓馬、10区の佐藤圭汰
「0点の走り」「途中棄権もあったかも」
山川は、64分34秒で区間4位。63分台を目指していたので、本人に言わせると「0点の走り」ということだったが、むしろ故障明けからわずか2週間の準備で、よく戻してきたと言うべきだろう。
10区の佐藤は、7位で菅谷希弥(2年)から襷を受けた。
前を行く城西大とは1分13秒差、5位の順大とは1分44秒差あった。それでも万全の佐藤なら、ここから追い上げることは可能だ。果たして佐藤は冷静に入った。
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「10区は距離が長いので、最初から突っ込み過ぎると、後半ガタがくる。最初の10kmを余裕を持って走り、そこからの13kmが勝負だと思っていました」
10kmまでの設定タイムは28分50秒から29分だった。そこから少しずつ上げていく予定でいたが、簡単ではなかった。
「10kmまでは余裕を持ってペースも設定通りにいけたんですけど、そこからはやっぱり練習ができていなかったので、キツくなってしまいました。走っている時に我慢できないくらい痛くなったら途中棄権もあるかもしれないので、ずっとそういう不安と戦いながら走っていました。なんとか気持ちで粘って、最後までいけたので良かったですけど、本当に賭けでした」
給水は同じ4年生の大和田貴治に頼んだ。並走し、前とのタイム差と折田壮太(青学大2年)との区間賞争いでのタイム差を聞いた後、「最後まで頑張れ!!」と声を掛けてもらった。同期の声に支えられ、不安を押し殺して、佐藤は23kmを走り切った。
区間新にも「最低限」
98回大会の中倉啓敦(青学大)の1時間07分50秒の記録を更新する1時間07分31秒をマークし、有終の美を飾った。城西大を抜き、4位の早稲田大と21秒、5位の中大と19秒差まで迫って、両大学がゴールする際には後ろにはっきりと佐藤の姿が見えていた。
だがレース後の佐藤は、区間新にも「最低限ですね」と浮かれた様子は一切なく、むしろチームの6位という成績と、最後の箱根で10区しか走れなかったことへの悔しさが表情からにじみ出ていた。
4年生の最後の箱根の旅は終わった。
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