箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝「99%勝っていた」早大まさかの誤算 「5区に来たら、敵わないのかな」思わず頭を抱え…“山の名探偵”が語っていた「青学大・黒田朝日の恐怖」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/03 07:30
自信を持っていた早大“山の名探偵”工藤慎作をもってしても2分以上の差をつけられる青学大“シン・山の神”黒田朝日の衝撃の走りだった
「大平台で詰まってきて、その次(小涌園前)で一気に詰まってきたって聞いて、もうびっくりしました」
黒田の快走には花田監督も驚くばかり。確かに、工藤のピッチと黒田のそれとは明らかに違っていた。
一つ気になっていたのは、序盤から工藤の表情が険しく見えたことだ。実際、1週間ほど前に調子を崩し、本調子で箱根を迎えることができなかったことをレース後に明かした。
ADVERTISEMENT
「レースに向かうにあたって、調子は完全ではないと感じていました。レースの終盤に入る前からすでにキツくなっていました」
本人もそう振り返る。とはいえ、本調子ではなくても、その時の調子に合わせて最善のパフォーマンスを見せることができるのが工藤の特長でもある。
昨年7月のワールドユニバーシティゲームズでも、ハーフマラソンに出場した工藤は、直前に調子を落としていたのを考慮して大逃げに打って出て金メダルに輝いていた。今回の箱根でも、不調ながら堅実に歩を刻んでいた。背後に黒田の気配を感じてからも、工藤は必死に逃げた。それでも、残り1.5kmで逆転を許した。
「追いつかれた時点で、すでに限界に近い状態」
「追いつかれた時点で、すでに限界に近い状態でした。その中でも(脚を)動かして、明日のためにちょっとでも、1秒でも広げられないように意識して走りました」
逆転された後も懸命に黒田を追ったが、18秒差を付けられて2位で芦ノ湖のフィニッシュに駆け込んだ。
悔しさが込み上げてきた工藤は、思わず叫び声を上げて、頭を抱えるしかなかった。
「もう悔しいの一言に尽きるかなと思います」
レース後、少し時間を置いてから取材に対応した工藤は第一声でこう漏らしていた。
実は事前に取材した際に、工藤に気になる5区候補選手を聞いたことがあった。その時の答えは、こんなものだった。

