箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
吉田響22人抜き、太田蒼生は区間新記録…「箱根駅伝→プロランナー」たちは駅伝界の勢力図を変えられる? ニューイヤー駅伝で別れた“新旧実業団の明暗”
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2026/01/02 17:33
ニューイヤー駅伝のエース区間である2区で22人抜きを見せたサンベルクスの吉田響。箱根駅伝発のプロランナーたちが実業団の勢力図を書き換える?
今季は決して順風満帆な1年を送れたわけではなかった。現に、もう1つの軸であるトレイルランでは、予定していた大会に出場できなかった。
「この1年、新しい環境でやっていく中で、そこのすり合わせにはすごく苦労しました。でも、その分、積み上げてきた成果を今日発揮できたのかなって思います」
吉田は新シーズンが始まってからの9カ月間をこのように振り返る。苦労を重ねた先に、この日の快走があった。
ADVERTISEMENT
初めてのニューイヤー駅伝で吉田が任されたのは、最長区間の2区だった。
「どんな位置で来ても、自分が絶対に1番まで追い上げる」
そう意気込んでいた吉田は24位でタスキを受けると、いきなりフルスロットル。ごぼう抜きショーをスタートした。10kmを27分42秒で通過し、1万mの日本記録保持者の鈴木芽吹(トヨタ自動車)を含め、前を行く選手を次々に抜き去り、13km過ぎには先頭を走っていた平林清澄(ロジスティード)、今江勇人(GMOインターネットグループ)に追いついた。最後は今江に先着を許したものの、吉田は22人抜きの活躍で一気に2位に浮上した。昨年の箱根駅伝の13人抜きを彷彿とさせる活躍だった。
また、従来の区間記録を39秒も上回り、21.9kmを1時間1分01秒で走破。単純比較はできないものの、ハーフマラソンに換算すると日本記録(59分27秒)をはるかに上回る58分台になる計算だ。それほど圧倒的なパフォーマンスだった。
「設定タイムが1時間1分20秒で、それを大きく上回る走りができたので、本当にすごくうれしいです。ごぼう抜きできたのも本当にうれしいですし、マラソンにつながる良いレースになったなって思います」
初マラソンでの目標は…日本新記録!
吉田も大きな手応えを掴んだ様子だった。おそらく2~3月に初マラソンに挑むことになるが、大きな注目を集めることは間違いないだろう。
吉田が初マラソンで掲げる目標は、“初マラソン日本最高”ではなく“日本新記録”だ。
「今日の走りを見たら、はっきりと日本記録が見えたと思うんです。ミスをしなければですね」
瀧川コーチも、吉田の初マラソンに太鼓判を押していた。

