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「初年度でニューイヤー駅伝出場→最下位」も…“山の神”神野大地監督と箱根駅伝未経験ルーキーの1年間「神野さんは先輩以上、監督未満の近さ」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/01/02 11:05
MABPマーヴェリックで実業団1年目にしてニューイヤー駅伝出場を果たした山平怜生。神野大地監督との1年間を語った
神野さんからはポジティブな言葉をもらえる
普通、大学の部活ではポイント練習を外すと、厳しく叱咤されることも多いが、MABPでは練習中に怒られることはない。それは社会人のプロ集団だからでもあるが、神野の性格に因るところも大きい。
「僕は外したことがないのですが、神野さんは、ポイント練習で外しても怒らないです。大学ではけっこうガツンと言われるんですが、神野さんは『ここまで来ているから、別にできなくても大丈夫だよ』って声をかけてくれるんです。
そういうポジティブな言葉をもらえると、外した選手は『よし! 次は』って思うでしょうし、周囲のムードも前向きになるので、僕は良いなって思っています」
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普段のジョグの練習量は選手個々に任されている。そして出場する記録会やレースも、神野や近藤と相談して決められる。
「例えば、日本選手権に出ることを考えた時、まだ標準記録を切っていなかったので、6月のホクレン(・ディスタンスチャレンジ)の大会でちょっと狙ってみようかということで、そこに向けて調整していきました。
結果、ホクレンでタイムを切れて、日本選手権に出場することができたんですが、このレースに出ないとダメだよという縛りがないので、ターゲットレースをある程度、自分で選択して狙えるのも、自分にとってはやりやすかったです」
チームで初めて日本選手権に出場
山平は6月にホクレン第1戦、深川大会の5000mで13分33秒85と日本選手権5000m標準記録を突破し、1500mの栗原直央とともにMABPで初めて日本選手権に出場した。
「日本のトップ選手と走ることで少しビビっちゃいました」と言うように平常心では走れず、14分07秒96で予選3組22位に終わったが、スタッフやチームメイトが応援するなか挑戦する姿は、見ていた仲間たちに大きな刺激を与えた。
上半期は、木付琳主将と中川雄太が故障明けで状態がもうひとつ、年長の堀尾謙介も本調子には程遠く、徐々に調子を上げてきた鬼塚翔太とともにチームを牽引した。神野が「トラックシーズンの山平は言うことがなかった」というぐらい満点の出来で、神野と近藤コーチの信頼を得ていた。夏前には、東日本実業団駅伝ではエースが集うロング区間(16.4km)の3区を走ってもらうかもしれないという打診が神野からあったほどだ。

