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「口ベタで、失敗続きだった」青学大・原晋監督の“知られざるサラリーマン時代”…なぜ「伝説の営業マン」になれた? 箱根駅伝の常勝軍団を作った“会話術”
posted2026/01/04 06:01
青学大・原晋監督の“知られざるサラリーマン時代”とは?
text by

原晋Susumu Hara
photograph by
AFLO
2026年の箱根駅伝で、史上初となる2度目の3連覇を達成した青山学院大学。9回目の優勝に導いた名将・原晋(58歳)が若い力をとことん伸ばす「仕組み」と「極意」を明かした書籍、『人が替わっても必ず結果を出す 決定版! 青学流「絶対王者の鉄則」』(祥伝社刊)から、【ルーキーの本音は「引き」と「押し」で引き出す】の章を抜粋して紹介します(全3回の2回目/第3回につづく)。
◆◆◆
職場に新入社員が入ってきたとき、皆さんはどんな振る舞いをするでしょう。自ら話しかけに行くのか、あるいは話しかけてくるのをじっと待つのか。
「彼らのほうから話しかけてくるまでじっと待つ」
ルーキーが入部してきたら、私はできるだけ彼らの根の部分を知ろうとします。
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この子は根が明るいのか、暗いのか。もし暗いと感じたのなら、それは高校時代に抑圧されていたからなのか、そうではないのか。
“高校生あるある”ですが、抑圧された部活時代を過ごした影響で、ハキハキと言葉が出てこないことがよくあるのです。
私語そのものを指導者に禁じられていたり、返事は「ハイ!」のひと言がよしとされていたり、目上の指導者と話すことにそもそも慣れていません。
もし、そのように感じる1年生がいれば、私はなるべくこちらから声をかけないようにします。やさしく語りかけるのではなく、あえて言葉をかけない。彼らのほうから話しかけてくるまでじっと待つのです。
なぜなら、学生たちにとって監督は怖い存在です。年齢も上で、立場の違いもあり、気軽に話しかけられる存在ではありません。それでも、自分の監督がどんな人なのかを知りたいから、彼らは話をしようと自ら話題を考え始めるのです。
最初は挨拶かもしれません。笑顔で接していると、そのうち少しずつ会話が生まれてきます。学生たちのほうから質問する機会が増えてくる。そうなるとしめたものです。
「うちの寮では何を言ってもいいし、監督に話しかけるのはむしろいいことなんだよ」と、繰り返し伝えます。
