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「記者投票が物議をかもすことも」フォーエバーヤングは年度代表馬に選ばれるのか? 歴史的名馬がズラリ…米BCクラシック制覇の“圧倒的な価値”
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島田明宏Akihiro Shimada
photograph byGetty Images
posted2025/12/27 11:02
BCクラシックのゴールを先頭で駆け抜けたフォーエバーヤングと坂井瑠星。日本競馬史に残る偉業を成し遂げた瞬間だった
なお、一度も会社組織に所属したことがなく、記者でも会友でもない私は、その256名には入っていない。
はたして、フォーエバーヤングは記者たちに高く評価され、2025年の年度代表馬に選出されるだろうか。
歴史的名馬がズラリ…BCクラシックの圧倒的な価値
BCは1984年に創設された比較的新しいレース(イベント)で、毎年持ち回りで舞台となる競馬場が替わる。一日に複数のGIが行われ、2007年からは2日間にわたって行われるようになった。どのレースも賞金は高額で、それらの頂点にある、3歳と古馬によるダート2000mのレースがBCクラシックである。
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アメリカの競馬場は日本やヨーロッパと違い、観客席に近く、コース幅を広く、一周を長くとることのできる外側にダートコースがあり、芝コースはその内側にある。つまり、メイントラックはダートなのである。その頂上決戦だけあり、BCクラシックの歴代の勝ち馬を見ると、いかに格の高いレースなのかがわかる。
サンデーサイレンス(1989年)、シガー(1995年)、スキップアウェイ(1997年)、ティズナウ(2000年、01年)、カーリン(2007年)、ゼニヤッタ(2009年)、アメリカンファラオ(2015年)、アロゲート(2016年)、フライトライン(2022年)などなど。
そこにフォーエバーヤングが名を連ねたのだ。
BCクラシックに初めて参戦した日本馬は1996年のタイキブリザードで、13着。同馬は翌97年も挑戦したが6着だった。次は2004年のパーソナルラッシュで6着、2008年のカジノドライヴが12着、2010年のエスポワールシチーが10着と遠いタイトルでありつづけたが、2023年にデルマソトガケが2着、ウシュバテソーロが5着、そして昨年はフォーエバーヤングが3着と少しずつ近づき、今年、フォーエバーヤングがついに牙城を崩したのである。
アメリカの競馬場はすべて左回りの平坦コースで、先述したように、ダートが主体で、芝よりも大きなレースがずっと多い。
これは、イギリスが発祥で、ヨーロッパで盛んになった「競馬」という競技を取り入れるにあたり、芝がメインで、起伏のあるコースが多く、右回りが中心のヨーロッパと対極的なスタイルにし、「自国でやる限りほかのどの国にも負けない」という形を確立するためだろう。

