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「ストレートも風に乗れば魔球に…」ロッテのドラ1・石垣元気が描く未来のエース像「クレバーで仲間思い」最速158km右腕の意外な素顔とは?
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/12/26 11:03
夢は大きく「170km」…ドラ1投手の石垣元気はマリーンズファンの期待の星だ
札幌ドームで見たプロ野球の記憶
年が明けると新人合同自主トレが始まる。プロ野球選手としての第一歩だ。しかし、意外にも石垣元気はこれまでプロ野球生観戦の記憶は少ないのだという。思い起こすのは小学2年の頃の1度きり。札幌ドームで祖父と2人の兄と共に、ファイターズ対ジャイアンツの交流戦をバックネット裏の三塁側席で観戦した。記憶に残っているのはジャイアンツのスコット・マシソン投手だという。
「とにかく大きいと思った。そして球が速かった」
それがプロ野球の思い出であり、間近で見たプロ野球選手の鮮烈な印象。その世界に、まもなく飛び込んでいくことになる。
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束の間のオフである12月末。石垣元気の姿は温泉で有名な登別にあった。久しぶりに北海道に戻った。子供の頃から雪が大好きだった青年は、久々に見る故郷の雪を楽しみにしていた。しかし、戻ってきたタイミングでは道の脇に少しだけ雪が積もっていた形跡があったのみで、降り続くほどではなかった。石垣は子供の頃に戻ったかのようにガッカリしていた。
「雪が大好きで今でも見るだけで興奮する。すぐに雪をまとめて、固めて投げてしまいたくなる」
「元気」命名に込められた思い
子供の時から雪合戦が好きだった。とにかく雪は固めて投げる。生まれつきのピッチャー気質なのかもしれない。
名前の元気の由来は「とにかく元気な子供であって欲しい」という両親の想いから来ている。当初は「歩夢(あゆむ)」という名前を第一候補に考えていたが、出産日を過ぎてもなかなか産まれてこなかったことから、元気であって欲しいという願いを込めてこの名前になった。
その名の通り力強い元気なボールを投げる若者は、ピッチャーとしてマリーンズに入団し背番号「18」を背負うことになった。理想はどこまでも大きく、しかし地に足をつけて現実を見極め、仲間と力を合わせて進んでいく。石垣元気は、新時代の新たなエース像を作り上げていく。


