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「ストレートも風に乗れば魔球に…」ロッテのドラ1・石垣元気が描く未来のエース像「クレバーで仲間思い」最速158km右腕の意外な素顔とは? 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2025/12/26 11:03

「ストレートも風に乗れば魔球に…」ロッテのドラ1・石垣元気が描く未来のエース像「クレバーで仲間思い」最速158km右腕の意外な素顔とは?<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

夢は大きく「170km」…ドラ1投手の石垣元気はマリーンズファンの期待の星だ

北海道から群馬へ…磨かれた心技体

 中学卒業後に北海道から群馬県の健大高崎高校へ進学した。故郷を離れて身体作りや、野球に対する考え方など、様々な部分で成長した。「プロ注目と呼ばれるくらいになりたい」という目標を掲げた右腕はすぐに頭角を現し、70kgに満たなかった体重は80kgを越えた。

 それまでは自分の実力のみを信じ我を通すタイプだったというが、高校入学後はみんなの力を合わせて戦うことを覚えた。それが今の自分を作る上で一番大きかったと本人は力説する。文字通り、心身ともに成長した青春時代だった。

「高校時代は人間性の部分で成長できた期間。それまでは『自分が、自分が』となっていたけど、野球は一人でやるものではないと知った。スタメンの9人、ベンチ入りメンバー。それだけではなく、スタンドで見ている仲間やマネージャーも含めた全員の力。それがあったからこそ勝てる。そこに野球の奥深さがあると知った」

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 自分ひとりで相手と対峙するのではない。チームメートの力を合わせる。それがプラスになったり、時には掛け算のように力を増すのだ。

今も大切にする言葉「信守勝」

 その象徴が、高校3年夏の県大会前に考えられた儀式だった。野球の帽子のつばの裏にみんなで「信守勝」と書き込んだ。これは「高校時代のチームメートと考えて作った言葉」だという。選手たちが好きな漢字を1字ずつ様々に提案し、その中から3字を選んだ。「信守勝」は、みんなで作り上げた言葉だ。「窮地でも仲間を信じて、守り勝つという想い」。そこには仲間たち全員の気持ちが込められている。

「ピンチの時、タイムをとってマウンドに集まる時に、なにか儀式のようなものを考えた方がいいな、となって。帽子のつばに言葉を書いて、見るような儀式をみんなで考えました。それからボク、結構、つばを見ていました」

 夏の県大会前から追い込まれた時にはいつも、この言葉で自分たちを奮い立たせてきた。だから今も、これからもこの言葉を大切にしていきたい、と石垣は話す。

【次ページ】 札幌ドームで見たプロ野球の記憶

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