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「ストレートも風に乗れば魔球に…」ロッテのドラ1・石垣元気が描く未来のエース像「クレバーで仲間思い」最速158km右腕の意外な素顔とは?
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/12/26 11:03
夢は大きく「170km」…ドラ1投手の石垣元気はマリーンズファンの期待の星だ
入団が決まった後、11月に群馬県高崎市で行った契約会見では、メディア受けするような豪快な発言と、地に足のついた言葉の二つが交互に飛び出した。
「いつかは170kmを計測したい」とは言ったが、「まずは1年目で160kmが出せたら」と付け加えた。「日本を代表する投手になる」と掲げながら、一軍デビューに関しては「最初は怪我をしない身体作り。夏場に一軍のマウンドに短いイニングでも上がれたら」と慎重にその道筋を描いてみせた。
「自分なりに色々と考えている。最初からそんなうまくいくはずはないと思っているし、今の形で即プロでは通用しないはず。もっともっとすべての質を上げていく必要がある」
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冷静に自分と向き合い、自己分析を行う姿からはクレバーさがうかがえる。
「ストレートでも風に乗れば魔球になる」
新入団会見前日、12月10日に行われた本拠地ZOZOマリンスタジアムでの球場見学でも、まずはマウンドの硬さを入念にチェックする姿があった。「思ったより広く感じた」と感想を口にしたあと、こう話した。
「自分の好きなマウンドだと感じた。高さはあまり気にしないのですけどマウンドの硬さは気になる。硬すぎず、ちょっと柔らかめ。投げやすそうだなあと思った」
スタジアムの名物でもある風にも意識を研ぎ澄ませた。この日の風速は1m。石垣はスタジアムの中心で全身を使ってその風を感じながら、マウンドに上がっている自分を想像してみた。
「きっとストレートでも風に乗れば魔球になる。面白そうだなあと。カットボールも曲がるかなあと。もしかしたらスライダーくらい曲がるかもなあとか。そういうことを考えてきました」
その心に描くのは、風を味方に打者を翻弄する未来の姿だろうか。


