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獅子の遺伝子BACK NUMBER
〈交流戦パ・リーグ圧勝の衝撃〉西武・仁志敏久コーチが感じた「DH制だけじゃない」“セパ格差”本当の理由「実は巨人黄金期の影響もあって…」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNumberWeb
posted2025/12/25 11:08
セパ両リーグで指導経験のある西武・仁志コーチ
――ボールの使い方というのは?
仁志コーチ 昔はよくパ・リーグの投手は真っ直ぐで押していくけれど、セ・リーグの投手は変化球ばかり、と言われていましたよね。でも実は今は、パ・リーグの投手も変化球は非常に多く投げています。ただ、その使い方が違う。強い真っ直ぐを持っているのは前提として、それを活かして変化球でも攻めてくる。例えば日本ハムの達(孝太)投手のようにフォークでストライクをとってきたり……明らかに曲げるとかかわすのではなく、変化球でも強い球で勝負してきますよね。
「かわす」意識が薄いパ・リーグ投手の強み
――セ・リーグの投手にはあまりない部分ですか?
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仁志コーチ セ・リーグにも力のあるピッチャーは沢山いるけれど、状況によって“やってはいけないこと”や、“やられてはいけないこと”に気をつけながら攻めている。パ・リーグは勿論、基本的な部分はあるのですが“安全なボール”を選択するより、突くべきボールを強く使うというタイプが多いと感じますね。うち(西武)の投手が投げている時でも、ここでこんな攻め方をするのか、と驚いたこともありましたから。
――セオリーに捉われない大胆さがある?
仁志コーチ そうですね。バッターに対して「打たれないように」と用心する範囲がちょっと違う。そもそもパ・リーグのピッチャーは「かわす」という意識が希薄なのかもしれません。実はそれを探っていくと、今までのセ・リーグの歴史、特に僕らがいたジャイアンツの時代が影響している部分があって……。 〈つづく〉
→巨人の黄金期メンバーだった仁志コーチだから語れる「セパ格差」の意外な“源流”とは? 後編では、今季交流戦での衝撃的な「パ・リーグ圧勝」の裏側に迫る。


