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ゴルフPRESSBACK NUMBER
横峯さくら40歳「ぼくもプロゴルファーになりたい」思わぬ息子の言葉に喜び…「ゴルフ嫌い」だった30歳からの激動10年間
text by

南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2025/12/25 11:07
シーズンを振り返った後、家族と過ごすオフの楽しみを語った横峯さくら(40歳)。息子の話になると母の顔になる
「託児所の先生が『ほら、ママ頑張ってるよ』ってティーオフする時や最終18番グリーンの傍に息子を連れてきてくれまして。そしたら、『ぼくもプロゴルファーになりたい』と言ったみたいで。その言葉がうれしくて。もちろん、息子がやりたいことをするのが一番ですし、無理やりやらせても長続きしないでしょうけど、やっぱりゴルフやってくれたら嬉しいなあという願望がありまして。ゴルフが好き、自分からやりたいって言ったら、始めさせたいなと思っています。熱血指導? それはないです(笑)。伸び伸びとやってくれたらいい。ゴルフって、フォームも練習法もその人に合ったやり方をどれだけ早く見つけられるかが上達の鍵だと思いますから」
ゴルフの世界に生きてきた母の言葉には説得力がある。
「プロゴルファーでも同じスイングの人っていないじゃないですか。体格も骨格も身長も人それぞれ。私だって(今秋から試した浅いトップで)怪我しないし、飛距離も出るし、安定してる。だから、その人に合った練習やトレーニングを早く見つけて、それが子供だったら、飽きさせないようにする環境を作ることが大事かな。まあ、もしも息子がゴルフ始めたらの話なんですけど(笑)」
「優勝」の重みは絶対違う
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シーズン中は試合と子育ての時間をやりくりしながら慌ただしく過ごす。大変さはもちろんあるが、それでも歩みを止めないのは、明確に目指すものがあるからだ。
「転戦生活って聞くとすごく大変そうと思われるかもしれませんが、(家族で)幸せそうだね、と少しでもポジティブに感じてもらえたらいいな。そして、やはり私はアスリートですから、成績をちゃんと残したい。(優勝から10年以上遠ざかる)今の自分が『託児所が欲しいです』と言うより、優勝してから言ったほうが説得力ありますよね」
母となってする優勝は重みが絶対違う。最後にそう言葉にした横峯には、家族でカップを掲げる姿が浮かんでいる。40歳で迎える新シーズンが待ち遠しくなった。〈全2回/前編からつづく〉


