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横峯さくら40歳「ぼくもプロゴルファーになりたい」思わぬ息子の言葉に喜び…「ゴルフ嫌い」だった30歳からの激動10年間 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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posted2025/12/25 11:07

横峯さくら40歳「ぼくもプロゴルファーになりたい」思わぬ息子の言葉に喜び…「ゴルフ嫌い」だった30歳からの激動10年間<Number Web> photograph by Shizuka Minami

シーズンを振り返った後、家族と過ごすオフの楽しみを語った横峯さくら(40歳)。息子の話になると母の顔になる

 30歳の頃はゴルフが好きではなくなっていた。2009年に賞金女王という大きな目標を達成して以降、燃え尽き症候群のような状態に陥り、ただ試合をこなすようになっていたことも「引退」に気持ちが傾いていた要因だった。さらに将来的に家族が増えたりすると移動が多いプロゴルファー生活との両立は難しいと思っていた。

 そんなとき、夫・森川陽太郎さんから「ずっと続けてきたのに、ゴルフが嫌いなまま辞めるのはもったいないんじゃないかな」と、アメリカ行きを勧められたことが転機になった。

 リフレッシュする意味もあったが、一念発起で渡米を決断。しかし、それでも当初の2年間ぐらいは「ゴルフ、どーしようかな」と漠然とした不安を抱えたままだった。

「ゴルフと自分の幸せは両立できる」

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 考え方が変わったのが米ツアー挑戦3年目の、とある試合でのこと。会場近くのホテルの食堂で夫や子供2人と共に食事している選手の光景を目の当たりにした。米ツアーには練習や試合の合間に子供を預かる無料のデイケアサービスが付随している。30年以上も前から実施されていることを知り、カルチャーショックを受け、「私もゴルフと自分の幸せは両立できるんじゃないか」と気持ちが芽生えた。そこから、徐々に“嫌い”だったゴルフと前向きに付き合えるようになった。

 そんな経験から、横峯は日本国内でも環境づくりに声をあげてきた。実際に2023年から国内ツアーでも託児所の設置が始まった。陽太郎さん、息子と家族で転戦する横峯にとっても、その恩恵は大きい。今年、うれしい出来事があった。

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