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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
試合で突然「球速が4キロアップ」でも「159キロがアベレージじゃないと…」高校時代は実績ゼロ→米大学へ編入報道…仙台大・佐藤幻瑛「意外な素顔」
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安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/12/18 11:01
アメリカの大学への編入が報じられた仙台大3年の佐藤幻瑛。元チームメイトが語った最速159キロ「ドラ1候補」の素顔とは
「高いボールが多くて、内容的には粗けずりなピッチングだったんですけど、幻瑛、あの試合で自己MAXが急に4キロぐらい跳ねた(上がった)んですよ。152、153キロですかね。高校時代にほとんど勝ってないような無名の1年生が、全国大会のデビュー戦の、それも先発で自己MAX更新なんて、そんな話、聞いたことあります? まして150キロ台ですよ」
坂口捕手、驚きよりも、むしろあきれている。
「『自分、アドってました』っていうんですよ、幻瑛が。『アドレナリンが出まくっていた』という意味らしいです(笑)」
今夏は大学ジャパンの一員としても活躍
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そしてそこから2年経って、この夏の「日米大学野球選手権」だ。
学生ジャパンの一員として出場した第3戦。
リリーフの2イニングを4奪三振無失点に抑えると、翌日の第4戦でも抑えのリリーフとして登板。1点は与えたものの、自己MAX159キロをマークして、自身の大舞台を締めくくってみせた。
「テレビで見ていましたけど、ぜんぜん別人でしたね。常時150キロ台で、その上、159キロでしょ」
坂口捕手が、さらに驚いたのは「日米」の後に話す機会があった時の佐藤投手の語りだったという。
「159が凄いってみんな言ってくれるんですけど、自分としてはぜんぜん凄いと思ってないんで。一度159出したらもう159以下じゃダメなんですよ。158キロも、157キロも自分の中ではダメなんで、159キロがアベレージじゃないと、自分としては成長だと思えないんです」
今回の「渡米編入」の報を耳にして、驚きもしながら「アイツらしいな」と思ったと、坂口捕手は語る。

