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「ミトマもウエダもエンドウも…決して批判ではない」日本代表W杯8強へ…元監督トルシエがズバリ提言「モリヤスは秘密にしておく必要が」
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2025/12/21 11:04
北中米W杯では難敵ぞろいのF組に組み込まれた日本代表。ベスト8進出の可能性はあるのか、トルシエが直言する
「個の力やパーソナリティのレベルでの違いだ。どう説明したらいいのか……文化的な問題なのか、目に見えないものだ。コレクティブな面で日本は強い。だが、南野拓実はブラジル代表ではスタメンになれない。堂安律もフランス代表では難しい。三笘薫も上田綺世もイングランド代表、板倉滉はドイツ代表のスタメンにはなれないだろう。それは遠藤航や谷口彰悟も同様だ。
しかし、チーム全体で見たときに、日本はフランスやスペイン、ブラジルに勝る力を発揮する。それが日本の現状であり、大国との違いだ。経験や文化に起因する、目に見えない違いが存在する。トヨタ製の自動車と、ルーマニアで作られた自動車の違いのようなものかもしれない」
――その「目に見えない違い」を短期間で埋めるのは難しい。となると、現状ではやはり日本の武器はコレクティビティ(組織力)ということになりますか?
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「その通りだ。全員がトップコンディションにあれば、日本の競争力はとても高く、強固な連帯意識で快挙を成し遂げられるだろう。日本の連帯意識は試合の80%を占めるが、フランスは30%に過ぎない。違いはエムバペのような圧倒的な個の強さを持つ選手の存在だ。そこが、日本がまだヨーロッパや南米のサッカー大国に追いついていないところだ。少なくとも私はそう考える」
コレクティブな連係はまだ感じられない
――それでは最後の質問です。日本のW杯への展望をどう見ていますか。今後、本大会に向けて、やらねばならないことは何でしょうか。
「戦略を積み上げていくことだ。さらに選手をグループに加える必要を、私はあまり感じていない。森保は選手を信頼し、責任感を与えた。だが、例えばコーナーキックやフリーキックなど、細かいコンビネーションに関してまだまだやるべきことがある。またトランジションの連帯意識や、最終ラインからの構築などについては意図的なものを感じるが、コレクティブな連係はまだ感じられない。本大会に向けて構築していくべきものがあるならば、そのオートマティズムの確立だろう。今はまだ、選手が個々で判断しているように見える。
これは決して批判ではない。日本代表はコレクティブなチームであるのだから、チームとしての一撃を準備すべきだ。例えば直接FKにしても、何日かかけて準備しているようには見えないし、空中戦もどうすれば戦いに勝てるか対策を立てていない。そうしたディテールをしっかりと詰めていかねばならないだろう」
モリヤスは秘密にしておく必要がある
――他の要素はあるでしょうか。

