「2人には少しガッカリ」「マエダは試合を閉める際に最適」トルシエが生観戦した日本代表をガチ評価…「サッカー大国との差は現実にある」 

「2番目のオプションですらない。4バックは素晴らしいサイドバックがいて初めて成り立つ。現状、日本には2人のセンターバックだけで守り切れる選手はほとんどいない。ボリビア相手なら通用するかもしれないが、フランスやドイツ、ブラジルといった大国を相手にしたら困難に陥るだろう。

　守備もできる2人のサイドバックを置くのであれば、攻撃に割く人数はひとり減り、サイドは制約を受け続ける。2人のCBも楔のパスを出しにくくなり、現実的なオプションとはいえない。菅原や瀬古歩夢は、サイドバックとしてチームの力になれる。しかし私が考える日本に最も適したシステムは3-4-3で、それこそがサイドを最大限に活用できるシステムだ」

“日本がプレーしやすいチーム”とは

――9月からの強化試合6試合（3勝2分1敗）をどう総括しますか？

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「日本は力強く階段を駆け上がった。メキシコ戦の引き分けとアメリカ戦の敗戦から始まったが、選手たちは共に時間を過ごすことで連帯感を高め、チームは進化した。藤田譲瑠チマや佐野海舟、鈴木淳之介といった新戦力もチームに馴染んだ。鈴木淳之介は好きなタイプだし渡辺剛もそうだ。谷口彰悟も知性に溢れ、しっかりとプレスもかける3バックの要のひとりだ。板倉滉はボリビア戦で素晴らしかった。

©Kiichi Matsumoto

　この6試合は、25人のグループを形成することに大きく貢献した。そして他にも三笘や守田英正、CBなら伊藤洋輝、高井幸大、町田浩樹、冨安健洋らの復帰も心待ちにしている。グループには落ち着きと自信が漲っている」

――相手が守りを固めてきた時の戦い方は課題でしょうか。

「相手がプレーするチームである方が、日本はプレーしやすい。相手が守備ブロックを固めると、日本はトランジションの問題に直面し、相手の欠点を突きにくくなる。そんなときには久保や中村のように個の力で穴を開けられる選手や、上田綺世のように前線で体を張れる選手が必要になる」

「少しガッカリした2人」とは誰か

――個々の選手のパフォーマンスはどう評価しますか？

「途中から投入された選手が、決定的な役割を果たしたのが興味深かった。中村は左トップ下で起用され、1ゴール1アシストと素晴らしい働きを見せた。サイドでもシャドーをプレーできる中村がポリバレントな働きをしたのは、これまでの日本にないものだった。藤田にも、とてもいい印象を受けた。トップは、上田の方が小川航基よりも力強く重さがあり、ポストプレーも上手い。だが逆に、少しガッカリした2人もいる」

――それは誰でしょうか。

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