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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「スーパー高校生やっぱり強い」井上尚弥が絶賛した“17歳”藤木勇我とは何者か? 異例の注目度、怪物伝説も「スパーでは日本王者を滅多打ちに…」
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byNaoki Fukuda
posted2025/12/05 11:03
アマチュアボクシング最高峰の全日本選手権・ウェルター級で優勝した藤木勇我(興国高校3年)
アマボクシングも長期にわたって撮影してきた福田カメラマンも、藤木には他の選手とは毛色の違う魅力を感じているという。「いったいどこで倒すんだろう」と、通常のアマチュアでは考えられないような興味で試合を見ているのだとか。
「1990年から日本のアマチュアをずっと取材してきましたが、その中でも一番、身体の完成度は高いかもしれません。身体が強く、相手の空いたところをナチュラルに容赦無く、躊躇なく攻められるんです。一発ずつのパワーも素晴らしい。ディフェンスも最小限のボディワークでうまくやって、最近は接近戦が多いのでブロッキングが強いですし、その中でボディとかアッパーとか、高校生としては反則だろと思うようなパンチを放ってきます。アマではなかなかダウンはないんですけど、彼はそれを演出してきます。アマチュアの枠を超えた醍醐味のボクシングです」
怪物伝説「日本王者レベルを滅多打ちに…」
スパーリングでの強さも語り草だ。中学、高校時代から元世界王者の宮崎亮や元東洋太平洋王者の加納陸などと手を合わせてきた。相手の名誉のために名前を出さないが、「日本王者レベルでも滅多打ちにしてしまった」といった武勇伝も聞こえてくる。最近ではムロジョン・“MJ”・アフマダリエフ戦前、井上尚弥のスパーリング相手として来日した元世界王者とも拳を交えた。藤木本人が明かす。
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「元世界王者のマーロン・タパレス選手ともスパーしました。他にも名前の知られた選手とやらせてもらいましたけど、タパレス選手が最近やった中でも一番強かったし、うまかったです」
そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの藤木をして、貫禄を思い知らされた世界王者がいる。他ならぬ、世界の頂上にいる“モンスター”である。〈つづき→後編〉

