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「日本人は移籍金が安いからね」プレミアリーグ監督&スカウト部長らが語る”英国の日本人獲得ブーム”「”無名の”若手Jリーガーも狙っているよ」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/11/28 11:05
U-22代表、11月のイングランド遠征。「とにかく今、日本人選手が欲しい」その現場で現地記者が聞いたこととは
この年代の中心選手でもある左SBの小杉啓太(ユールゴーデンIF・スウェーデン)と、インサイドMFとして途中交代で出場した大関友翔(川崎フロンターレ)、さらにインサイドMFで先発した嶋本と石井久継(湘南ベルマーレ)を「良かった」と指摘し、こう続けた。
「特に左サイドバック(=小杉)は素晴らしい。スピードがあり、とても良かった。インサイドMF、後半から出てきた8番の選手(=大関)も良かった。日本は優れた選手を擁している」
「“無名の”日本人選手を熟知」ボーンマススカウトに驚いた
日本に好印象を抱いたのは、ボーンマスのスカウトも同じだ。試合にはファーストチームのコーチ陣やスカウト、さらにユース年代の選手たちも訪れていた。一軍スカウトで、フランスを担当地域とするジャック・ブルックス氏は、今年6月にフランスのプロヴァンス地方で行われたモーリスレベロトーナメント(※旧大会名はトゥーロン国際大会)を視察しており、日本対コンゴ戦を現地で見ていたという。同氏は「あの時から日本に注目していた。日本の初戦はコンゴ戦で、日本が2−0で勝った。私は、日本が大会を制するのではと思ったほど高く評価していた」と振り返る(※結果は日本6位)。
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「6月のメンバー編成」と「今回11月のイングランド遠征のメンバー編成」は一致していないが、重複選手は少なくない。ブルックス氏が日本をよくリサーチしていると感じられたのは、「今回のボーンマス戦、日本は決してベストメンバーではないよね?」と指摘した点だ。
U-22日本代表は2試合で先発を総入れ替えしており、ブルックス氏はその点を的確に把握していた。彼は選手リストを見ることなく、日本選手の名をスラスラと挙げていった。
「モーリスレベロトーナメントでは、大関、石井、GK荒木琉偉(ガンバ大阪)、市原吏音(RB大宮アルディージャ)のプレーがとても良かった。今回の遠征にはいないが、神田奏真(川崎フロンターレ)も良い。皆、非常に優れていた。個人的には石井を気に入っている。彼のクリエイティビティが好きだ」
後半開始時、先発のGK小林将天(FC東京)に替わり、荒木がピッチに入ると、ブルックス氏は「お、荒木が出てきたね」とすかさず反応した。それほど、日本選手を熟知していた。
2部のスカウト部長「とにかく今、日本人選手が欲しい」
では、日本代表のストロングポイントはどこにあるのか。優れた目利きでもあるブルックス氏は、こう続ける。



