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甲子園の風BACK NUMBER
大阪の高校野球界に「まさかの異変」…秋季大会ベスト16に“公立の進学校”が3校の衝撃 強豪ひしめく“日本屈指の私学激戦区”に何が起きている?
posted2025/11/26 11:40
大阪の秋季大会でベスト16に進出した公立進学校の八尾高校。他にもあわせて3校が勝ち残るなど、勢力図に微妙な変化が
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沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
高校野球屈指の激戦区として知られる大阪府。大阪桐蔭や履正社といった強豪私学が覇を競うが、そんな地域でこの秋「ある異変」が起こった。秋季大会のベスト16に公立校の進学校が3校も食い込んだのだ。まさかの事態のウラに隠された「意外な理由」とは何だったのか。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
今月行われた明治神宮大会は九州国際大付(福岡)の初優勝で終わり、今年も高校野球界はいよいよシーズンオフに入る。早い地区では8月末から全国で行われてきた秋季の都道府県大会から各地区大会、そしてそのチャンピオンが集まった明治神宮大会と、秋の高校野球の道のりは実は結構長い。
来春のセンバツに向けた重要な参考材料となる秋季大会では、当然上位に勝ち進んだ高校が有力視される。一方で、全国の地区大会で選考の「ボーダーライン」まで勝ち上がった公立高校は、四国大会準優勝の阿南光(徳島)、九州大会ベスト4の熊本工(熊本)のみだった。
やはり近年、公立高校にとって甲子園への道は険しいのは事実だ。
“激戦区”大阪の秋大会で起きた「異変」
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だが、今秋の大阪大会ではある“異変”が起きた。秋の府大会16強のうち勝ち残った3校が公立校。その3校が、いずれも進学校として名高い高校だった。
生野高校、八尾高校、岸和田高校。そのうち生野高校は府の21世紀枠推薦校に選出された。18年に近畿地区の21世紀枠候補に選出されたことがある八尾高校は、1915年に創部され、春は6度、夏は4度の甲子園出場がある。1952年の34回大会では夏の甲子園準優勝を果たし、今年で創部110年を迎えた歴史のある古豪である。
大阪は高校野球において、「私学優位」の代表的な地域だ。近年は全国をリードする大阪桐蔭、履正社、大阪学院大高や近大附などが群雄割拠し、公立校はその“巨大戦力”に圧倒されてきた。

