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甲子園の風BACK NUMBER
大阪の高校野球界に「まさかの異変」…秋季大会ベスト16に“公立の進学校”が3校の衝撃 強豪ひしめく“日本屈指の私学激戦区”に何が起きている?
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/11/26 11:40
大阪の秋季大会でベスト16に進出した公立進学校の八尾高校。他にもあわせて3校が勝ち残るなど、勢力図に微妙な変化が
2013年に八尾高校の野球部監督に就任した長田貴史はそんな現状を肌で感じており、就任当初は府大会序盤で敗れる大会が多かった。
だが、コロナ禍だった20年秋以降の16大会で16強以上に進出したのは実に半分の8大会。うち2大会ではベスト8まで勝ち進んでいる。
昨秋は大阪桐蔭に(0-7)、今秋は大阪学院大高に(0-8)といずれも5回戦で強豪私学の壁に跳ね返された格好になったが、長田監督は今秋の戦いをこう振り返った。
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「新チームのスタート時、ピッチャーはストライクが入らなくて、練習試合はなかなか勝てなかったんです。現チームはレギュラー半分が1年生でしたが、そんな中でこの秋はよく5回戦まで勝てたと思っています」
前チームは夏の府大会初戦で同じ進学校の三国丘に2-4で敗れた。7月半ばに新チームが発足した際、大会を通して自信になる目標を立てたいと選手たちから提案があったという。
「もちろん目指すのは優勝です。でも、優勝できるのは1校だけ。優勝にとらわれず明確な目標を立てるのは私もいいなと思って(賛成しました)。その結果、選手たちで決めた目標は府大会ベスト8でした。その一歩前のベスト16で敗れてしまったんですけれど、私としてはここまで来られたのは十分だと思っています。でも、それを私から言うと選手たちの目標が止まってしまうので敢えて言っていません。選手間では何かが足りなかった、と常々言っているようです」
強豪私学との対戦…「まずは雰囲気に飲まれない」
5回戦まで勝ち上がるとどうしても強豪私学との対戦が待っている。その際、公立高校としてはまず雰囲気に飲み込まれないようにすることが絶対だとされている。
「こちらは捨てるものはないから思い切ってやるだけです。ある意味負けて当然なので、どんなことがあってもいいという精神状態で挑むようにしています」

