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「相手によってサッカーを変えていける」遠藤航の自信、「戦術が浸透している」谷口彰悟の手応え…2026年の代表は“史上最強”なのか?
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佐藤俊Shun Sato
photograph byAsami Enomoto
posted2025/11/23 17:04
年内の活動を終了した日本代表。主将の遠藤らはW杯イヤーに向けて、現在のチーム状況をどう見ているのか?
戦術の深まりの理由
戦術的な浸透が深まったのは、長い時間をかけて徹底してきたことに加え、攻守における連係面でのクオリティが上がったことや、個人戦術の質が上がったことが大きい。今回の代表は、26名中、国内リーグからの選出は3名のみで、ほぼ海外組だ。彼らが欧州でプレーして得た経験値は、個人戦術としてそれぞれの引き出しになっている。それがあるので、森保一監督が要求する様々な戦術にも適応し、さらに進化させることができている。
ただ、戦術への信頼度は、勝利によって得られる部分もある。そういう意味では、アメリカ遠征で結果は出なかったが、パラグアイ戦ではアディショナルタイムに追いついてドローに持ち込み、ブラジル戦は3-2で逆転勝ちした。「自信になった」と堂安が言うように、この勝利は“俺たちはやれるんだ”という確信になり、それが今回のガーナ戦とボリビア戦で発露したとも言える。
相手に対応して変化できる
遠藤航は、相手によって戦術を変化させることができつつあると話した。
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「9月から11月までは、何か明確にテーマを決めてやっているというより、相手のやり方に対して、自分たちがどういう戦いをしたいのかというところにフォーカスして、いろんなことをしている感じです。
それができるのは、カタールW杯後に4-1-4-1から始まって、今は3-4-3をしていますけど、そういうシステムの変化や、相手の出方によって守備を4人にするとか、同じことをやるんじゃなく、新たにチャレンジしてきたから。相手によってちゃんとサッカーを変えていかないといけないよねというのを、みんな理解して、積み上げてきているので、それが今、出せているんだと思います」
ベースがある中、相手によって戦い方に何かしら変化を加えていくのは、勝つためのセオリーでもある。一本槍だけでは、W杯の連戦で強豪国相手に勝ち抜くのは難しい。

