「9月から、出場すればチーム不敗」気づけば代表常連…DF渡辺剛28歳が実は凄い！「ガーナ戦は狙い通り追い込めた」「代表にはもっと競争が必要」 

　すぐにレギュラーを勝ち取り、クラブで充実の時を過ごして迎えたのが、アジアカップ・カタール大会だった。『出番なし』は、代表でも成長曲線を描くと誓っていた渡辺にとって悔しい現実だったはずだ。

ようやく訪れたチャンス

　それでも渡辺は歩みを止めなかった。愚直に成長を求め、代表復帰のチャンスを待った。そしてようやく訪れたアピールの機会に、自らの価値を証明してみせた。6月のオーストラリアとのアウェーゲームに3バックの中央で先発すると、守備面では相手のカウンターの芽を潰し、攻撃では中を閉める相手を動かすべく積極的にボールを散らした。

最終予選で代表に復帰した渡辺。オーストラリア戦、結果的にチームは敗れたものの渡辺自身は役割を果たした　©Getty Images

　渡辺が高井幸大と代わって69分にベンチに下がったあと、チームは失点し、0−1で敗れたが、求められる役割を十分にこなしたと言っていい。試合前は代表の3バックに対する適応をポイントに挙げていたのだが、「頼られる準備」ができていたことをそのプレーで示した。実際、試合後には手応えを口にしている。

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「日本代表はベースがしっかりしている。誰が出てもこういう時はこうするっていうのもそうだし、うまくスライドして守っていくのもそうだし、やっぱり日本人は規則正しく動けるなと。一人ひとりがハードワークできるのが今の日本代表の強さ。そこは試合していて頼もしいと思いました。自分もこういう中でやっていけばもっともっと良さを出せるし、自分の特徴が生きると思う。そういう試合がこれから先、もっと増えていくのかなと思います」

9月、10月シリーズで貢献を見せる

　渡辺の予言は、すぐに現実となった。最終予選終了後、海外組主体で行う初の代表活動、9月のアメリカ遠征に招集されると、主力組で臨んだメキシコ戦に先発し、無失点に貢献（0−0）。続く10月シリーズも連続招集され、パラグアイ戦は3バックの中央で（2−2）、ブラジル戦は右ストッパーで先発を果たした（3−2）。

　10月の2試合で、渡辺は異なるポジションを務めるとともに役割も変えている。パラグアイ戦は最終ラインを統率する立場としてプレーし、ブラジル戦は前半と後半でチームの戦い方の変化に応じて潰し役の要素を強く打ち出した。

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