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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「9月から、出場すればチーム不敗」気づけば代表常連…DF渡辺剛28歳が実は凄い!「ガーナ戦は狙い通り追い込めた」「代表にはもっと競争が必要」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/11/23 11:40
負傷者が続出した日本代表の守備陣のなかで、9月から出場試合で負けなしが続く渡辺剛。11月シリーズでも見せたその強みとは?
「今日は前から行った方が相手にロングボールを蹴らせて回収できていたので、結構長めに行って、いつもよりはアグレッシブに守備する時間が長かった。それもちゃんとみんなで狙いを持っていた。そこがうまくいかなくなって疲れてきた時に下がる選択肢もあったけど、基本的には前から行けたというのが、今回、最後まで自分たちのペースでできた要因かなと思っています」
「いい守備からいい攻撃」を実現する
日本は相手3バックの左ストッパー、足元がおぼつかないジェローム・オポクにボールが回るように誘導した。それと同時にマンツーマンの守備で相手をロック。焦ったオポクが精度の低いボールを蹴り出せば、それをことごとく跳ね返し、回収していった。
南野拓実が決めた先制点も、オポクにボールを吐き出させて、谷口がアントワーヌ・セメンヨにタイトに張り付き、繋がせなかったところから始まっている。佐野海舟がセカンドボールを回収し、数本のパスをつないでネットを揺らした。日本はコンセプトである「いい守備からいい攻撃」を実践した。
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「狙い通りに追い込んで、ロングボールに対して彰悟さんと自分のところでしっかり勝って、セカンドボールを奪って、得点にも繋がった。狙いを試合で出せて、相手をはめて自分たちのボールにできて、攻撃につなげられたことが大事。レベルが高い相手に対してはもちろん難しくなってくるけど、細かいところを突き詰めてやれば、強い相手にも通用すると思う。相手が強くなってきてもできるようにするべきだと思うし、(ガーナ戦は)いい成功体験になったと思います」
「代表にはもっと競争が必要」
9月以降、出場した試合は負けなし。充実の内容で試合を終えた渡辺に聞いた。アピールできた感触があるのではないかと。
「本来なら、もっとディフェンスの選手もいて、競争があるはず。今はケガしていて、いない状況なので。ただその中でも、自分もそうだし、淳之介も、彰悟さんも、今まではスタメンではなかった選手がチャンスをつかんでいるし、自信を持ってできている。
それはクラブでしっかりやってきたからで、そういう姿を、いま代表に来てないトミ(冨安健洋)や(伊藤)洋輝、マチ(町田浩樹)たちが見たら刺激になるだろうし、これは(板倉)滉も言っていましたけど、代表にはもっともっと競争が必要だと思っています。自分たちの活躍が他の選手に刺激を与えて、そういう選手たちの活躍でまた、自分が刺激を受けるという流れが今の代表にはある。そういうのも、これから先は必要だと思っています」
競争がさらにチーム力を高めていく。だからポジション争いは大歓迎。もちろん、それに打ち勝っていく自信を携えている。これまでにも多くのものを乗り越えてきた渡辺だからこそ、その言葉は説得力を伴っていた——。
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