「東大“なのに”すごいね」を超えて欲しい…学生水泳界で大躍進!? “異色の強豪”になった東大水泳部　現役部員が語るリアルは？「今後の課題は…」 

　日本インカレで上位を狙うような強豪大学なら、良くも悪くもその高いレベルの大会で結果を出さないといけない重圧がある。一方で、東大の場合はそこまでのプレッシャーがあるわけではない。

「しかも国公立選手権や七大戦（※全国七大学総合体育大会、旧帝国大学だった7校による対抗戦）では活躍できてしまうので、言葉は悪いですがそこで安住してしまうケースも目につくような気がします。次のステップとして国公立という枠組みを超えて強豪と言われる私大とも戦えるようになるには、視野をそっちに向けないといけないのかなと思います。もっと上を目指した方が、いろんな経験ができて楽しいですしね」

4年間、エースとしてチームを引っ張ってきた松本　©Keiji Ishikawa

　受験の結果が証明している通り、東大生は基本的に「努力できる」素質は高い選手が多い。

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　一方で、それは物事が俯瞰で見えてしまい、ある意味で馬鹿になりきれないことの裏返しでもある。ゴールへの道がハッキリ描けなくなれば「とりあえず行けるところまで上を目指してみよう」という無謀なジャンプアップに挑めない。

　結果、どこか思い描ける範囲の結果で満足してしまう。それは確かに合理的思考ができてしまう東大生ゆえのマイナスポイントなのかもしれない。段階的な大会を目標に据えられるのは、伸び盛りの選手たちにとってメリットが大きい一方で、選手のレベルが高まるほどに目標設定の難しさが露見してくるのだろう。

「東大“なのに”すごいね」で満足してはダメ

　そんな松本の言葉に、昨季の主将を務めた4年生の持田隼人も首肯する。

「やっぱり『東大“なのに”すごいね！』という言葉で満足していてはダメなんだと思います。東大だとか、そういう枕詞を取ってなお、『すごいね！』と言われるようになってほしい。後輩たちにはそんな活躍を期待したいと思います」

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