テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「うーん…」大谷翔平がWS前日、“佐々木麟太郎ドラ1指名”を聞かれて率直な反応「やりとりはしていた」“花巻東の後輩”を温かく見守っていた
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2025/11/21 06:02
ワールドシリーズ前日会見での大谷翔平。その後の打撃練習では驚愕のバッティングを見せていた
その後、米メディアが再び質問を続けたが、再び日本メディアが質問のターンを引き戻し、最後に2球団からドラフト1位指名を受け、ソフトバンクが交渉権を得たスタンフォード大の佐々木麟太郎についての質問が飛んだ。大谷は「うーん……」と一呼吸置いた後に、こう語った。
「本人の気持ち次第じゃないかなと思う。本人がこうなりたいという道を選ぶのが一番。その上でいろいろな人のアドバイスがあると思うけど、最終的には自分の気持ちが一番大事かなと思う」
見たら勉強になるのでは、とやりとりを
佐々木は母校の岩手・花巻東の後輩であり、恩師・洋監督の長男である。高校時代は幼少期の佐々木とバットやボールを使って何度も遊び、雪遊びもしたことで知られている。佐々木は中学時代に、大谷の父・徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニアで指導を受けるなど縁深い。大谷はスタンフォード大入学を決断した佐々木への「アドバイス」を否定していたが、洋監督は進学にあたって、花巻東の先輩であるエンゼルス・菊池雄星と大谷から助言を受けたと明かしていた。
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昨年5月に佐々木は同大近くのサンフランシスコで行われたジャイアンツvsドジャース戦を観戦。対面しなかったが、大谷は「いろいろな人の打撃練習を見て勉強したいと話していた。見たら勉強になるのでは、と(メールで)やりとりはしていた」と語っていた。
岩手から世界へ。海を渡った大谷は佐々木がどんな選択をしようと温かく見守っているのだった。
約40分間の「メディアデー」が終わると、そこからは貴重な選手たちの音声データを、日本で待ち受ける各新聞社やインターネットメディアの担当者にデータ送信する人、自分自身で文字起こしをする人などが相次いだ。最近は「ChatGPT」のような生成AIを利用して一定の精度で文字起こしが可能となったため、取材終了から驚くべきスピードで世の中に発信されるようになっている。
フリー打撃で衝撃の150メートル弾
この時点でまだドジャースの練習は始まってすらいない状態。報道陣は一様にぐったりとしていたが、間もなく自然と目が覚める出来事が起きた。

