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「練習態度まで批判され、こんな監督の元では…」「ホンダは高卒時点でギラギラしてた」“J1通算124発”名ブラジル人FWが今だから明かせる裏話 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTamon Matsuzono

posted2025/11/16 11:00

「練習態度まで批判され、こんな監督の元では…」「ホンダは高卒時点でギラギラしてた」“J1通算124発”名ブラジル人FWが今だから明かせる裏話<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

大分トリニータ時代のウェズレイ

「サイドでプレーするように命じられたことが気に入らなかった。一方的に練習態度まで批判され、『こんな監督の元ではプレーできない』と思った」

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――その後に加入した広島では、佐藤寿人とのコンビネーションが相乗効果を生んだ。

「彼は小柄だけど非常にスピードがあり、スペースへ飛び出すのがうまく、実に抜け目なくゴールを決める。僕とはタイプが違うけど、それだけに相性が良く、お互いの得点をお膳立てもした」

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――佐藤は「僕をいつも励まし、アドバイスを与え、選手として大きく成長させてくれた」と、あなたにとても感謝しています。

「私も、彼のように野心に溢れた若手と切磋琢磨して、自分の能力を発揮できたと思う。こちらこそ、彼にお礼を言いたい」

――大分では08年、ペリクレス・シャムスカ監督が3-5-2でマンツーマンで守る強固な守備組織を構築して旋風を巻き起こしました。あなたは7ゴールながらチーム最多得点でした。

「家庭的な雰囲気で、チームワークが素晴らしかった。GK西川周作、CB森重真人、MF金崎夢生ら優秀な若手がいた。チームは予算が限られていて、守備の優先順位が高かった。我々アタッカーも守備への貢献を求められたから、得点が少なかったのは仕方がない面もあった」

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――そのような状況で、ナビスコカップ準決勝で元チームメイトのストイコビッチが率いる名古屋と対戦。あなたは2試合でチームの全得点となる2点を叩き出し、決勝進出の立役者となった。

「ピクシーが監督を務める古巣との対戦は、非常に燃えた。試合後、彼から『お前のせいでうちは負けたんだぞ』と文句を言われた(笑)」

――そして、決勝でも優勝を決定づける2点目を決めた。

「強みである守備力で清水の強力な攻撃陣を抑え、攻撃では少ないチャンスを生かして高松が頭で、僕が右足で決めた。シャムスカ監督が描いたゲームプラン通りの試合だった」

――この試合には、大分から1万人を超えるファンが応援に駆け付けた。飛行機だけでは足りず、列車、バス、船、さらには車でとありとあらゆる方法で東京を目指したとか。

【次ページ】 ホンダは高卒すぐにギラギラした野生動物のような

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