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「やらないんで…はおかしいでしょ!?」堂安律が笑顔で語る“超万能ウィングバック論”日本代表ガーナ戦もスタメン、ケガの鎌田大地の代わりは? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/11/14 11:06

「やらないんで…はおかしいでしょ!?」堂安律が笑顔で語る“超万能ウィングバック論”日本代表ガーナ戦もスタメン、ケガの鎌田大地の代わりは?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ウイングバックの概念を変えるプレーを見せる堂安律。ガーナ戦もスタメンとみられる

「代表として、そのポジションをやっている以上、そこは任せられているので。どう思います? 『僕はサイドバックではないので、やらないんです』と僕が言ったら……おかしいでしょう!? そこに関しては何も言い訳はしないです。だけど、やれたことはあったと思う。ミーティングなどで色々チームメイト、監督と話をしているので。反省しながら、活かしていきたいなと思います」

 DFラインに入って仕事をするのが本職ではないとはいえ、そこでもチームに貢献する。そんな堂安の向上心と負けん気の強さが表れている返答だった。

ドイツ強豪でも“同様の役割”をこなしている

 ただ、それだけではない。堂安は今、所属クラブでも“久々にWBのような仕事“を任されているからだ。実は前所属のフライブルクでWBとして先発したのは4試合ほどで、それも2024年2月の1カ月間くらい。それ以外は4バックの右MFが主戦場だった。さらにフランクフルトへ移籍した今シーズン当初は、主に3トップの右を任されていた。

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 しかし、10月のCLリバプール戦で1-5の大敗を喫したのをきっかけに、チームは布陣変更。これに伴い堂安は、右WBに回ることになった。直近の試合で堂安は攻撃時に4-2-3-1の右MF、守備時には5-4-1の右サイドバックと、所属クラブでWB的な仕事を任されるのは、およそ1年9カ月ぶりなのだ。

 フランクフルトは、ディノ・トップメラー監督就任初年度にも現フォーメーションを採用したことがあった。当時は、運動量と上背とスピードがあるクナウフという選手が、現在の堂安のような役割だった。クナウフは現在もスタメンだが、彼を差し置いて攻守両面で大きな仕事を担う理由を、堂安はこう分析する。

「守備では、間違いなくハードワークを求められているからだと思います。あとは、攻撃的に行きたいけど、(最終ラインを)5枚にしないといけない状況と言うのはやはり多いと思っていて。おそらく森保さんも、攻撃的に行きたいけど、やはり守備をおろそかにしてはいけないと。もちろん、フランクフルトの監督もそうなんです。彼は、本来は絶対に4バックにしたいんですけど、チームの状況上『何かを変えないといけない。5枚にしたい』となると、ボールを持った時に、4バック気味にして僕が前にいる状況だと、チームとして2つの色を打ち出せるというか……」

渡辺剛が証言する“戦術的な決まり事”

 だからこそDFラインに入ったときの仕事についても、明確にイメージしている。例えば、前述したブラジル戦のような場面が来た時の解決策として、「予測力」を挙げる。

「すべては予測だと思うので。あそこで(DFライン裏に飛び出す選手に)ついていくというよりも『あそこに走ってくるだろう』と予測できれば、ブロックできた。1、2秒前から、相手の動きを予測することができているから、今、WBをできていると思うし、それが自分の特長だと思う。相手が走っていくコースを消しておくとか、バーンと体をぶつけたりする。僕は(攻撃時に)ウイングをやっていて、相手にやられて嫌なことはわかっているので」

 もちろん、チームとしての戦術的な動きについても話し合っている。ブラジル戦では、右センターバックとしてプレーした渡辺剛はこう証言している。

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