- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
「どう思います?」堂安律から逆質問…サッカー日本代表W杯への重要論点「3バックの攻撃的WB」が“DFラインの仕事もしなきゃ”問題を尋ねると
posted2025/11/14 11:05
ブラジル戦、攻撃面で威力を放った中村敬斗と堂安律のウイングバック。同時に守備面での論点がある
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
ガーナ戦「ブラジル戦のスタメン中心」に見える背景
「ブラジル戦のスタメンを中心に考えていきたいなと思っています」
ガーナ戦を前にして、森保一監督は先発メンバーについてそう語った。これはガーナ戦だけに向けられたものではない。W杯本大会の組み合わせ抽選会で、スケジュールや対戦国がよほど厳しいグループに割り振られない限り、基本的には3バックで本大会に向かう。森保監督はそう腹をくくったように見える。
日本代表は3-4-2-1のフォーメーションを、2024年6月から採用している。これは当初、守備を固める相手に有効な策として導入されたように見えた。例えば、W杯アジア予選や、カタールW杯で敗れたコスタリカのような相手に活用する、1つのオプションとして。
ADVERTISEMENT
だから、最終予選後は、また別の戦い方を模索すると見られていた。実際、9月のアメリカ戦後半は、試合前から4バックへの変更が事前に決められており、それが実行された。ただ、アメリカ遠征での選手起用や準備について、選手側からの反応は思わしいものではなかった。そうした背景から、引き続き3-4-2-1を採用することになった。そして、その形で、史上初めてブラジル代表を撃破した。
なぜ3バック→4バックは調整が必要か
「4バックから3バックへの変更は問題ないが、3バックから4バックへと変更するのは簡単ではない」
多くの識者はそう語る。理由はシンプルで、1人あたりがカバーするエリアの違いがあるからだ。
4バックだと、最終ラインの4人がピッチの横幅68mをケアする。一方で3バックだとウイングバック(WB)が最終ラインにおりて、5人で68mをケアすればよい。4バック→3バックへの変更は1人あたりがカバーする範囲が狭くなるから問題ないが、3バック→4バックだと範囲が広くなるため、調整が必要になる。
だから、時間が必要なのだ。
思えばカタールW杯でも、本番ではぶっつけ本番に近い形でフォーメーションを変更したが、4バック→3バックへの変更であり、最終ラインの負担が減るものだった。実際、カタールW杯最終戦の翌日にはこんな声も聞こえてきた。

