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「監督としての一番の大失敗でした」ロッテ監督退任の吉井理人がいま明かす”苦い記憶”「色気が出てしまって…自分の戦略、戦術ミスで負けた」 

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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photograph byShunsuke Mizukami

posted2025/11/17 17:00

「監督としての一番の大失敗でした」ロッテ監督退任の吉井理人がいま明かす”苦い記憶”「色気が出てしまって…自分の戦略、戦術ミスで負けた」<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

日本代表も含めて数々のチームでコーチを歴任し、2023年からは監督としてロッテを2年連続Aクラスに導いた吉井

 チームは今季、開幕3連勝したものの次第に黒星が重なり、5月4日に最下位転落。外国人や若き主砲の山口航輝、安田尚憲の不振が貧打を招いた。また、昨季10勝を挙げた佐々木朗希がメジャー挑戦で退団し、それを補うはずの先発陣も柱の小島と種市が春先は黒星先行。結局、一度も順位を上げられず、56勝84敗3分けで戦いを終えた。

 '25年10月5日。ZOZOマリンスタジアムではシーズンの最終戦セレモニーが行われた。吉井はマイクの前で口を開いた。

《ファンの皆様には今シーズンは嫌な思いをさせて申し訳ありません。結果はすべて私の責任です》

指揮官の忸怩たる思い

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 吉井は過去2年の2位、3位を経て頂点を目指すはずが惨敗し、自ら身を退いた。こみ上げそうな思いをこらえ、言葉を継ぐ。

《特に今年は若い選手の「プロ初」がいくつもあり、それを見るのが本当に楽しみでした。バッターでは山本(大斗)の初ホームラン。そして西川(史礁)、藤原(恭大)、寺地(隆成)の規定打席達成》

 初勝利した投手の名前も挙げた。ぐずつく日々に差し込む、つかの間の陽光だった。

「今年、チームは低迷していたのですが、割と明るい色でした。若い選手にいろんな記録が出て、これから何かがはじまるぞ、という、そういうシーズンでした」

 吉井が巻き返しを期して大胆なシフトチェンジを図ったのは6月の交流戦である。

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