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「その理由はアメリカでは通用しないよ」吉井理人が佐々木朗希に“小言”を言った理由とマリーンズ未来のための撤退戦「…それが一番楽しいんです」《退任監督インタビュー》
吉井理人はいまも悔いている。
ロッテのユニフォームを脱いだこの秋、指揮官として挑んだ3年間を振り返ると、あの苦い記憶が真っ先に思い浮かぶ。
「自分の監督としての一番の大失敗でした」
2024年10月13日。ロッテは、日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで先勝し、この日の第2戦を制すればファイナルステージ進出が決まる。先発で7勝の種市篤暉もリリーフ要員としてベンチに入れ、盤石の布陣で大一番に臨んでいた。7回表に1点を加え、リードを2点に拡大。試合を優位に進めた。
その裏、無失点投球をつづけていた先発の小島和哉が2者に四球を与え、ピンチを招いた。吉井が選んだのは普段の継投だった。だが、リリーフ陣は失点を重ね、延長戦の末にサヨナラ負けを喫した。
吉井は思い起こす。
「種市を使わずファイナルステージに回せるんじゃないかと色気が出てしまって……わざわざ種市をブルペンに入れていたのに、種市を使わないで負けてしまったんです」
敗戦後、吉井は選手たちに謝った。
「自分の戦略、戦術ミスで負けた。自分のせいや。お前らはよく頑張った」
だが、一度失った勝負の流れは容易には引き戻せない。翌日も連敗。あえなくCSファーストステージでの敗退が決まった。
あの日からである。
小雨や曇天がだらだらとつづく長梅雨のような暗雲が、ロッテを覆いつくすのは。
チームは今季、開幕3連勝したものの次第に黒星が重なり、5月4日に最下位転落。外国人や若き主砲の山口航輝、安田尚憲の不振が貧打を招いた。また、昨季10勝を挙げた佐々木朗希がメジャー挑戦で退団し、それを補うはずの先発陣も柱の小島と種市が春先は黒星先行。結局、一度も順位を上げられず、56勝84敗3分けで戦いを終えた。
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