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「監督としての一番の大失敗でした」ロッテ監督退任の吉井理人がいま明かす”苦い記憶”「色気が出てしまって…自分の戦略、戦術ミスで負けた」
posted2025/11/17 17:00
日本代表も含めて数々のチームでコーチを歴任し、2023年からは監督としてロッテを2年連続Aクラスに導いた吉井
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
Shunsuke Mizukami
日本代表も含めて数々のチームでコーチを歴任し、2023年からは監督としてロッテを2年連続Aクラスに導いた。今季は最下位に沈んだが、若手の芽を出すことに尽力。揺るがぬ信念の下、戦い続けた3年間を振り返る。
発売中のNumber1131号に掲載の[退任監督インタビュー]吉井理人「未来のための決断」より内容を一部抜粋してお届けします。
発売中のNumber1131号に掲載の[退任監督インタビュー]吉井理人「未来のための決断」より内容を一部抜粋してお届けします。
吉井理人監督の「苦い記憶」
吉井理人はいまも悔いている。
ロッテのユニフォームを脱いだこの秋、指揮官として挑んだ3年間を振り返ると、あの苦い記憶が真っ先に思い浮かぶ。
「自分の監督としての一番の大失敗でした」
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2024年10月13日。ロッテは、日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで先勝し、この日の第2戦を制すればファイナルステージ進出が決まる。先発で7勝の種市篤暉もリリーフ要員としてベンチに入れ、盤石の布陣で大一番に臨んでいた。7回表に1点を加え、リードを2点に拡大。試合を優位に進めた。
その裏、無失点投球をつづけていた先発の小島和哉が2者に四球を与え、ピンチを招いた。吉井が選んだのは普段の継投だった。だが、リリーフ陣は失点を重ね、延長戦の末にサヨナラ負けを喫した。
一度のミスで失った流れ
吉井は思い起こす。
「種市を使わずファイナルステージに回せるんじゃないかと色気が出てしまって……わざわざ種市をブルペンに入れていたのに、種市を使わないで負けてしまったんです」
敗戦後、吉井は選手たちに謝った。
「自分の戦略、戦術ミスで負けた。自分のせいや。お前らはよく頑張った」
だが、一度失った勝負の流れは容易には引き戻せない。翌日も連敗。あえなくCSファーストステージでの敗退が決まった。
あの日からである。
小雨や曇天がだらだらとつづく長梅雨のような暗雲が、ロッテを覆いつくすのは。

