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「41歳シャーザーは水6本飲む」大躍進ブルージェイズを支えた日本人栄養士が語る…ドジャースと激闘、世界一に迫った「家族のようなチーム」の正体
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2025/11/10 11:45
ワールドシリーズでドジャースと激戦を繰り広げたブルージェイズで管理栄養士を務めた讃井友香さん
オハイオ州生まれ、幼少期は日米を転々としたバイリンガルでもある讃井さんの仕事は選手たちの栄養サポートだ。ホーム&アウェイの全試合に帯同し、選手の誰よりも早く球場入り。クラブハウスにいる全選手と対話し、一人ひとりに合った体重管理、リカバリー、水分補給などを行ってきた。
「スタジアムに着いたら選手のアライバルのドリンクやサプリメントをロッカーに置いたりします。ハイパフォーマンスグループ(トレーナー、ストレングスコーチ、メンタルパフォーマンススタッフ)とミーティングをして、選手一人ひとりの現在の状態、例えばケガをしている、風邪を引いているなどの情報を共有し、最高のパフォーマンスができるように毎日話し合ってきました」
41歳シャーザーの勝負飯
それぞれの食事を注文し、しっかりと選手の手元に届いたかを入念にチェック。試合前には緊張や興奮で食が進まない選手もおり、その際にはより消化のしやすいスムージーを自ら作って供給する。“勝負飯”の準備を確認するのも仕事の一つだった。
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「マックス(・シャーザー)は先発前、チキンとアボカドのサンドイッチを2つ食べ、水もたくさん飲むので6本用意します。彼はもう何十年もこの世界にいるので、何が自分にエネルギーとパワーをくれるか、持続的にできるかを分かっているんですよ。栄養面から見ても、チキンはタンパク質、アボカドは良質な脂質、パンは炭水化物とバランスの良い食事が摂れています」
こうしてブルージェイズの全選手と個人的なレベルで知り合ってきた讃井さんから見て、今季のチームの強さの秘密はなんだったのか。そこにあったのはファミリーのように自分以外の選手を助け、その成功を喜べる空気感。中でも中心になってケミストリーを作り出していたのは、やはりというべきか、2人の大ベテランだった。


