日本シリーズ「とにかく今日決める」ソフトバンク・小久保裕紀監督が短期決戦で積極姿勢を出せたワケは“反省”「去年の負けがあったから」 

とにかく今日決める

「打ったのは真っすぐ。いいスイングができました。とにかく今日（日本一を）決められるように、全員で勝ちに行く。それだけです」

　3勝1敗で王手をかけていた時点で余裕はあった。しかし、今年のソフトバンクにはそんな余裕を見せるような隙は全くなかった。ビハインドになっても勝ちに行く。7回表の近藤の代打も指揮官の姿勢の表れだろう。同点に追いついたソフトバンクはその後、決死の継投を見せた。クローザーの杉山一樹は3連投にもかかわらず、2イニングを任せた。1点をリードした延長11回裏には、こちらも3連投となった松本裕樹が登板、5年ぶりの日本一に輝いたのだった。

起死回生の同点弾を放った柳田　©Kiichi Matsumoto

去年の負けがあったから

　指揮官の采配は時にメッセージ性を孕(はら)む。采配がそうなったから選手がその通り動くわけではないが、選手の気持ちと指揮官の狙いが一致した時には、とてつもない力になる。それは短期決戦を戦う上では必要な要素かもしれない。

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　昨季の日本シリーズ。小久保監督は「日本シリーズは3敗できる」と言って、2連勝から4連敗を喫して敗れた。ペナントレースのように大らかに構えすぎた采配が裏目に出た結果だった。

「去年の負けがあったから辿り着いたという思いがあります」

　優勝インタビューで小久保監督は胸の内にあった心情をそう吐露した。「短期決戦に弱い小久保監督」。そういうメディアはもういないだろう。昨年とは変わった指揮官の姿がそこにはあった。

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