新日本プロレス“2つのIWGP”の行方は…？ 竹下幸之介と辻陽太「1.4」二冠戦をめぐる思い「あの場所にいたんだ、と」「IWGPヘビーを取り戻す戦い」 

「オレにとって、この戦いはIWGPを取り戻す戦い」

　竹下が言う。

「辻選手が先日の岐阜で出てきた時にふと思ったのは、二冠戦になってボクが勝てば、2つのベルトを持つことになるわけですよ。今もたしかに新日本プロレス、AEW、DDT、3団体所属でスケジュール的には決して楽なものではないですけど、二冠王者になればタイトルマッチが2倍できる。じゃあ、日本に来る回数も増えるだろうし、濃密な最高峰の戦いっていうのを見せる機会も増えると思うので、ボクは二冠王者になってもベルトを統一するつもりはありません。それぞれのベルトの価値をボク自身が高めていきたいと思います」

　辻は竹下とは異なる見解を示した。

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「ちょっと勘違いされてる方が多いなと思うんですけど、自分がやりたいのは統一ではなく、IWGP世界ヘビー級の分解なんです。もっと言えば、さっきも言ったようにIWGPヘビー級を取り戻したいんです。となると、この先『じゃあ、他のベルトたちはどうなるんだ？』っていう疑問がまた出てくると思うんですけど、そこに関しては現段階で自分が言っていいものではないと思ってるんです。なぜならば、ボクは現在GLOBALのチャンピオンであって、世界ヘビーのチャンピオンではありません。世界ヘビーのチャンピオンでないボクがこの先、獲ったら、あれをこうする、これはこうしたいって言う資格がないと思ってます。なので現状、自分が言えることは、IWGPヘビー級を復活させたいということです。自分が世界ヘビーを獲ることができたら、そこで（どうしたいか）明言したいと思ってます。オレにとって、この戦いはIWGPを取り戻す戦いです」

1月4日、東京ドームでのダブルタイトル戦が決まったIWGP世界ヘビー級王者の竹下幸之助とIWGP GLOBALヘビー級王者の辻陽太。11月4日、テレビ朝日　©Essei Hara

　竹下も言う。

「オレは、まだ誰も通ったことない道を、これからも歩き続ける。1.4東京ドーム、辻陽太、オマエならわかってると思うけど、どっちが勝つか、どっちがチャンピオンとしてリングを下りるか、東京ドームをあとにするか、それだけの話ちゃうぞ。棚橋弘至の最後を見届けるために、たくさんのお客さんがドームには来てくれるんや。そこで棚橋が引退したら、プロレス界、日本のプロレス界……。面白かったなって思わせるだけやない。これから、もっとおもろなるんちゃうかって、そう思わせなあかんぞ。オレと戦うってことは、そういうことや。その覚悟があるってことや。辻、オレは子どものころからプロレスを見て、プロレスに憧れて、早くプロレスラーになって強くなりたいって思ってた時から、竹下幸之介として30年間の思いを持って、リングに立つぞ。辻、かかってこい。オレはプロレスをするためにこの世に生まれてきたと思ってるから。プロレスがナンバーワンと言える、胸を張れる世界をオレと一緒に作ろうぜ」