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新日本プロレス“2つのIWGP”の行方は…? 竹下幸之介と辻陽太「1.4」二冠戦をめぐる思い「あの場所にいたんだ、と」「IWGPヘビーを取り戻す戦い」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/11/08 11:05

新日本プロレス“2つのIWGP”の行方は…? 竹下幸之介と辻陽太「1.4」二冠戦をめぐる思い「あの場所にいたんだ、と」「IWGPヘビーを取り戻す戦い」<Number Web> photograph by Essei Hara

IWGP世界ヘビー級王者・竹下幸之助とIWGP GLOBALヘビー級王者・辻陽太。両者は2026年1月4日に互いのタイトルをかけて東京ドームで戦う

「東京ドームで戦うレスラーを観て、プロレスラーというものを志し、夢を追いかけてきた一人の人間として、そのIWGPのベルトを持って東京ドームに立てる。それは本当に何よりも光栄なことです。いまアメリカを主戦場として戦っているボクとしては、日本のプロレス界の現状は決して順風満帆に何事も進んでいるとは思いません。でも、日本のプロレス、技術、日々の鍛錬、そしてファイティング・スピリット、心の部分で他の国のプロレスに劣っていることは何一つありません。今もこうしてプロレス界、日本のプロレス界が残っているのは、リングで戦う選手たち、それを支えるスタッフ、そして何よりプロレスを信じてついてきてくれるファンの皆さんがいて、このプロレス界まだ残ってるんだと、ボクはそう思っています」

「だからこそ、プロレスファンの人たちには伝えたい。親にも、子供にも、孫の世代に、友達にも、会社の同僚にも、上司にも、部下にも『オレは、私は、2026年1.4東京ドーム、あの場所にいたんだ』と胸を張って言える、そういう世界を作りたいとボクは思っています。そして、そういう世界を辻陽太となら見せられると、そう確信しています。これからの新日本プロレスの明るい未来には辻陽太、この存在は欠かせないでしょう。だからこそ、ボクは彼をこの一戦で新しいステージに引き上げ、その辻陽太を倒し、二冠王となり、いまのプロレス界、誰が最高峰なのか、誰が頂点なのか、誰が最強なのか、それを証明したいと思います」

辻陽太が語った「二冠戦をやらなきゃいけない」理由

 竹下がそう語ると、辻が言った。

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「自分にはやらなきゃいけないことがあります。それはIWGPヘビー級の復活です。正直、二冠戦を言われると、新日本プロレスの関係者、ファンの皆さんはあんまりいいイメージがないと思います。自分自身もそうです。ただ、オレがIWGPヘビー級を取り戻すには、同等のこのIWGP GLOBALヘビー級を持っている必要がある。そう思うんです。なので、二冠戦を受け入れることにしました。いや、二冠戦をやらなきゃいけないと思っています。そして、新日本プロレスの新たな黄金時代を築きたいと思います」

 辻は熱い気持ちを語った。

「彼の先ほどの発言、それに一つオレから加えさせてもらうのであれば、彼はいまアメリカのプロレスに日本のプロレスは引けを取ってない、そう言ってました。たしかにビジネスの面ではアメリカとかなりの差をつけられていると思います。ただ、リングの上、このセルリアンブルーのリングの上は、オレは世界一だと思ってます」

【次ページ】 「オレにとって、この戦いはIWGPを取り戻す戦い」

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