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ワールドシリーズMVP山本由伸「衝撃の235球」古巣の仲間たちはどう見た?「(オリックスなら)投げさせない」「ずっと優勝…チームの空気感を作る天才」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byGetty Images
posted2025/11/06 11:06
山本由伸がワールドシリーズMVPを獲得。日本最高の投手が、世界最高の投手に…
「選手たちの、その先のステップがある場合は、やはりその先のステップのことを考えますから。でも今の由伸の場合は、メジャーリーガーで、もうトップクラスのところに在籍していますから、それ以上のところに行くためには優勝、世界一しかないですよね」
先を気にすることのない、トップオブトップの戦いということ。
由伸は「空気感を作れるピッチャー」
「でも日本の場合は、まだその先のキャリアを考えなきゃいけない。となると、使い方は変わります。日本シリーズの最終戦だったら、何か策を考えたりというのはありますけど、日本では、今回のワールドシリーズのような、あそこまではできないと思います。
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あの試合(第7戦)は、由伸が投げなかったら、まだずっと延長戦が続いていたんじゃないでしょうか。由伸が投げているから、『早く決めないと』という思いがチームの中にあったと思います。投げちゃいけないピッチャーが投げているわけなので。第3戦も、由伸が(ブルペンで)作っているのを見て、(フレディ・フリーマンの本塁打で)決めましたよね。由伸はそういう空気感を作れるピッチャーなんです。翔平もそうですけどね。その2人がいるんだから、やっぱり強いですよね。そういう選手を作りたいんですよ」
そうなれる可能性のある選手は今のオリックスにいますか。そう聞くと、「いますいます」と即答した。
「それもコーチ次第なので、やらないと」
今年はレギュラーシーズン3位で、クライマックスシリーズでもファーストステージ敗退となったが、若い投手が大きな可能性を示したシーズンでもあった。再び投手王国を築き頂点へ。11月6日にスタートした秋季キャンプから、礎作りは始まっている。


