「ロバーツ監督、ピッチャー交代が昔から下手…」疑問視していたNHK解説者が…思わず絶賛「佐々木朗希が完全復活するきっかけになった」あのロバーツ采配 

「今まで打たれた経験がほとんどないピッチャーが、メジャーの強烈なバッターたちにいとも簡単に打ち返される。そこで自信を完全に失ってしまった。マイナー降格も経験し、プライドもズタズタにされたでしょう。でも、そのどん底の経験があったからこそ、彼は精神的に一皮むけた。苦しんだぶんだけ、人は強くなれる。今のマウンドでの堂々とした姿が、何よりの証拠です」

「ヨコのブレがなくなった」

　精神的な復活と共に、佐々木の投球には明確な技術的進化が見られる。武田氏が最も大きな変化として指摘するのは、投球フォームの安定性だ。

「以前の佐々木は、投球動作の中で体のブレが非常に大きかった。特に、手足の長さに起因する“横のブレ”。あれだけ足を上げるダイナミックなフォームだし、少しのズレが大きな制球の乱れに直結していた。ボールが左右に散って、ストライクを取るのに苦労していたよね」

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　しかし、ポストシーズンでマウンドに立つ佐々木の姿は、別人のようだった。

【比較写真】今年5月の佐々木朗希。右肩の不調を訴え、故障者リスト入りする　©Getty Images

【比較写真】地区シリーズ第4戦での佐々木朗希。5月と比較して、左足が高く上がっているという声もあるが、「体の軸がブレなくなった」と武田氏は語る　©Getty Images

「体の軸が全くブレなくなった。だからボールが暴れなくなったんです。以前は荒々しさが魅力でもあったけど、今はそこに安定感が加わった。これは、マイナーでの調整期間中に、フォームのメカニクスを見直した成果だろう。本人、そしてドジャースのスタッフの努力があったはず」

　じっさい、3Aでリハビリ登板しながら課題だった制球難と球速アップに取り組んだ。投手ディレクターのロブ・ヒルと、投手パフォーマンスコーディネーターのイアン・ウォルシュが佐々木の体の回転が早すぎることで投球フォームが乱れ、リリース時にボールに込められる力が減っていることに気づいたという。

「スプリットで好不調が分かる」

　スタッフの指摘で、球速を取り戻した佐々木は、160km/h超のストレートが戻り、彼の代名詞でもある“魔球”スプリットが威力を増した。武田氏は「もはやスプリットというカテゴリーのボールではない」と表現した。

「あれはフォーク、いや、限りなくナックルに近いボールだよ。回転数が極端に少なくて、データを見ると500回転レベルだとか。だから、空気抵抗を受けて不規則に揺れながら落ちるんです。打者からすれば、分かっていてもバットに当てることすら難しい。軌道が全く読めないんだから」

　さらに武田氏は、佐々木の好不調を見極めるための“バロメーター”を教えてくれた。

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