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崖っぷちドジャース「鍵は日本人3選手と、あの“レジェンド”」NHK解説者・小早川毅彦氏が第6戦のチーム結束へ提言する「逆襲への秘策」は? 

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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posted2025/10/31 11:09

崖っぷちドジャース「鍵は日本人3選手と、あの“レジェンド”」NHK解説者・小早川毅彦氏が第6戦のチーム結束へ提言する「逆襲への秘策」は?<Number Web> photograph by Getty Images

大谷が第4戦に先発し力投するも、ドジャースは手痛い敗戦。小早川氏がその戦いぶりへの疑問と、崖っぷちの第6戦への策を提言する

 ここはむしろ、大谷投手を引っ張っても良かったんじゃないでしょうか。ここまでの球数は93球でした。交代を告げられて、小さく首を振って悔しそうな様子を見せましたし、試合後もここを抑えられなかったことが悔やまれるというようなコメントをしていましたよね。

大谷続投で良かったのでは……

 結果論ではありますが、大谷投手が先発するのは恐らくこれが今シーズン最後だったわけです。ワールドシリーズは7戦までしかないんですから。この後リリーフ登板する可能性があるにしても、勝てば王手のこの試合で考える状況でもありません。少なくともこの回は、大谷投手に投げてもらえば良かったんじゃないかな、と思いますね。

 非常に難しい判断ではありますが、7回のマウンドに上がる前に、この回は大谷投手でいく、と話し合っておくこともできたのではないかと。正直言って、早く下ろす理由はなかったと思います。

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 打線に目を転じると、私は第2戦が終わった段階で、ドジャースに必要なのは攻撃の粘りだと見ていました。しかし特に第5戦では、まったく粘る機会すらなく、キケ・ヘルナンデス選手の一発だけに抑えられてしまいました。

ルーキー投手に圧倒された理由

 第1戦でも先発したブルージェイズのルーキー、トレイ・イーサベッジ投手の出来が素晴らしかったですね。この投手は、約193センチの長身から、非常に高い角度で投げ下ろしてくるスタイルが特徴的なんです。ほとんど真上と感じるくらいで、なかなかここまで角度がついている投手も珍しいです。打者からすると、真っすぐと変化球の見極めが非常に難しい。

 もちろんプロの投手は同じ腕の振りから直球と変化球を投げ分けるものですが、イーサベッジ投手ほど高い角度から来ると、特に彼の場合はスプリットですが、「変化球だ」と判断できるのが一瞬遅れるんです。わかった時にはもう対応できません。日本の選手でいえば、日本ハム時代の上沢直之投手に似ていますね。イーサベッジ投手が崩れるとするなら四球からと見ていましたが、この日は無四球。ドジャース打線は7回でワールドシリーズのルーキー投手最多記録の12三振を奪われてしまいました。

【次ページ】 再燃した「下位打線問題」へのテコ入れ

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