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崖っぷちドジャース「鍵は日本人3選手と、あの“レジェンド”」NHK解説者・小早川毅彦氏が第6戦のチーム結束へ提言する「逆襲への秘策」は?
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/10/31 11:09
大谷が第4戦に先発し力投するも、ドジャースは手痛い敗戦。小早川氏がその戦いぶりへの疑問と、崖っぷちの第6戦への策を提言する
再燃した「下位打線問題」へのテコ入れ
この日、ドジャースは打順を変えてきていました。ウィル・スミス捕手を2番、ムーキー・ベッツ選手を3番と入れ替えて、9番のアンディ・パヘズ選手を初めてスタメンから外し、アレックス・コール選手を初先発させました。この狙いはわかります。シーズン27本塁打を放ったものの、このポストシーズンでは打率が1割に満たず、ちょっと「打ちたい打ちたい」となっているパヘズ選手よりも、出塁意識の高いコール選手に大谷選手の前に出塁してもらう。
そして、打撃好調でチャンスに強いスミス選手を大谷選手に並べました。シーズン序盤に私が気になっていた、大谷選手の前にランナーが出ない「下位打線問題」がここにきて再び問題になってきたことを解決しつつ、打線につながりと粘りを出したいということだったかなと。
キム・ヘソンを起用してみても良かったのでは……
ただ、実は私はこのコール選手という人選に少し疑問があったんです。確かに彼はヒットを打ちたいだけでなく、四球を選んで出塁する意識も高いです。ですが、私の見方では、彼は試合の途中から出す選手だと思うんですね。守備固めや代走、あるいは左のリリーフが出てきた時に代打で出塁を狙う、そうした貴重な役割を果たせる選手ですから。
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実は、イーサベッジ投手は右投げですが、左打者より右打者の被打率がよくありません。この日はスイッチヒッターのトミー・エドマン選手も、あえて右打席に立っていました。ただ、それを差し引いても、パヘズ選手を外すなら、右打ちのコール選手より、左打ちですが俊敏で器用なキム・ヘソン選手を9番・二塁に入れ、二塁を守っているエドマン選手は外野も守れますから、センターに回すという手もあったのではないかと。
さて、ちょっと苦言を呈するようになってしまいましたが、ドジャースとしてはいったん切り替えることが必要でしょうね。ここで1日移動日が入って、敵地ではありますが場所も変わります。仕切り直して残り2戦を総力戦で戦うことです。

