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「相棒!」再会トラウトとのハグも…大谷翔平は“動画と写真映え”するデジタル時代のスター「オオタニが微笑んでスペイン語を」LA番記者ズバリ
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ディラン・ヘルナンデス Dylan Hernandez
photograph byKatelyn Mulcahy/Getty Images
posted2025/11/08 06:00
写真も動画も……大谷翔平はスター性にあふれている
日本語でも慎重に話す。記者とのやりとりに目立ったものはない。彼が好んで言うように、「普通」だ。
大谷は、元ボクシング・ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリのように、挑発的な言葉を雄弁に語ったりはしない。しかし、言葉で語らなくても、彼の存在は野球というスポーツの枠を超えて広がっている。SNSのコンテンツが、彼が言葉で語らないことを代わりに伝えているからだ。
大谷は野球界初のデジタル時代のスーパースターだ。彼のイメージは、過去6年以上にわたってインターネット上に拡散された動画やGIF画像、写真によって形作られている。
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たとえばトラウトとの再会の動画からは、元ア・リーグMVP同士の2人の間に本物の温かな友情があることが伝わってくる。トラウトが大谷を見たときの反応や、別の動画に映る他の選手たちとの様子は、大谷がいかにチームメイトに愛されていたかを示す証拠だ。
“あのサイレントトリートメント”が初バズだった
大谷は、通訳なしで元チームメイトたちとコミュニケーションをとっていた。
かつては、大谷のようにプロとして競技に打ち込み、かつプライベートを大事にするアスリートは、まるで「ロボット」のように見られた。だが今では、彼に遊び心があり、気立ての良い人間であることを世界中の人々が知るチャンスが転がっている。
メジャーリーグで初めて大谷の動画がバズを起こしたのは2018年、エンゼルス1年目の序盤だった。メジャー初ホームランを打ち、ダグアウトに戻った大谷は、チーム全員に無視された。これは「サイレント・トリートメント」と呼ばれる、メジャーでよくみられる、新人選手への洗礼の儀式だ。チームメイトにずっと背を向けられる中、大谷は腕を上げて1人で初本塁打を祝う。やがて、彼はたまらず背後からイアン・キンズラーを抱きしめ、飛び跳ねて一緒に喜び始めた。すぐにチームメイト全員が笑顔で大谷を取り囲んだ。
大谷はたちまち人気の被写体になった。それは彼がプレーで活躍していたからだけではない。笑顔が爽やかで、表情豊かだったからだ。
スランプに陥ったときに冗談でバットに心肺蘇生をする様子、自分を三振に打ち取った相手ピッチャーの記念ボールへのサインに応じる様子、ベンチでボールを使った芸を披露する様子、ゴロをキャッチして一塁の前で走者に立ちはだかり、ダグアウトの方を指差して「あちらへどうぞ」と仕草する様子など、大谷のコミカルで愛らしいGIF画像がいくつもネットを賑わせた。
ドジャース加入後、さらに拡散されるように
大谷の闘争心を表す動画もあった。


