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「こんな順位で…」193センチ大型右腕“ビックリ指名”のウラで聞こえた残酷な悲鳴「目玉は立石正広」創価大ドラフト密着中にじつは起きていた“指名漏れ”
posted2025/10/28 11:03
10月23日、阪神とヤクルトからそれぞれドラフト指名を受けた立石正広と山崎太陽
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Keiji Ishikawa
◆◆◆
今年のドラフト会議の目玉だった創価大学の立石正広は3球団から1位指名を受け、抽選の結果、阪神が交渉権を獲得した。その立石の囲み取材やテレビ局のインタビューが行われている最中もドラフト会議は続く。プロ志望届を提出した多くの選手にとっては、むしろここからが本番だ。
18時5分、3巡目の指名がスタートした。創価大の会見場では、2人の選手が指名を待っていた。守備力とバットコントロールに秀でた外野手の大島正樹。そして大学で投手に転向し、最速149kmながら大きな伸びしろを残す193cm右腕の山崎太陽。両者ともに有力候補ではなく、指名にかかるかどうか微妙なラインだというのが事前の予想だった。
「支配下以上を目指しています」
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ドラフト会議4日前の10月19日。飯能市民球場でのリーグ戦後に、大島に話を聞いた。敦賀気比高校から創価大に進学した京都府出身のリードオフマンは、自身の特徴についてこう語っていた。
「守備が一番自信あるんですけど、やっぱプロ野球の世界は打ててナンボやと思うんで。外野なんで、特にそうですよね。バッティング的には対応力と、いろんな方向に打てるのが自分の持ち味やと思います。タイプ的には阪神の近本光司選手が理想です。参考にしているバッターは高校の先輩の吉田正尚さんと、西川龍馬さんですね」
圧倒的な注目を集めるチームメイトの立石に対して、嫉妬心を抱くことはなかったのだろうか。
「いや、それは全然ないっす! 立石は練習もして、性格もよくて……。1年のときからふたりでずっと試合に出させてもらって、日に日にすごみが増していくのを見ていたので。ただただ、すごい存在だなと思います」
間近に迫ったドラフトについて、大島は「支配下以上を目指しています」と明かした。そして「まだあんまり想像できないですけど、ドラフト当日は緊張すると思います」とも。事実、当日の会見場では隣に座る山崎と笑顔で言葉をかわすシーンもあったが、指名が進むにつれて心理的な負荷が強くなってきているのが表情から伝わってきた。


