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プロ野球PRESSBACK NUMBER
《阪神1位指名》創価大学が揺れた“3球団競合”ドラフトウラ話「最高です!」はしゃぐ藤川監督に現場も歓喜…その時記者が見た「立石正広の意外な表情」
posted2025/10/28 11:02
10月23日、創価大学の会見場で指名を待つ立石正広
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Keiji Ishikawa
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「タイガースの未来が明るくなりました」
交渉権を引き当てた阪神の藤川球児監督がそう語ると、創価大学の会見場にも喜びが伝播した。壇上でカメラのフラッシュを浴びる立石正広の表情を注視する。笑顔だった。つい数分前までの緊張から解き放たれて、安堵と高揚がわずかに漏れ出しているようにも見えた。
約50社、100人を超える取材申請
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10月23日。ドラフト会議当日の15時に八王子市の創価大を訪れた。都心よりも明らかに空気が澄んでいる。木々が生い茂る、広大で美しいキャンパス。立派すぎるほど立派な設備を目の当たりにして、創価学会の資金力に思いを馳せる。晴れの日に似つかわしくない生臭い思考をよそに、行き交う学生たちは当たり前にキャンパスライフを謳歌していた。
報道受付で「まい泉」のヒレかつサンドとミネラルウォーターが配られる。長丁場になることを想定した大学側の気遣いだろうか。取材に来ている身としては「そこまでしてくれなくても」と恐縮したが、他の報道陣に倣って、ありがたくいただくことにした。
会見場は最大1000人を収容する「ディスカバリーホール」だった。案内をするスタッフに話を聞くと、約50社、100人を超える取材申請があったという。過去にも多くのプロ野球選手を輩出している創価大だが、これだけの規模で会見を行うのは田中正義(現日本ハム)が5球団から1位指名を受けた2016年以来とのことだった。
今年、創価大からは3選手がプロ志望届を提出した。言わずと知れた大学ナンバーワンスラッガーであり、広島が1位指名を公表した立石正広。俊足巧打のセンターで、広い守備範囲が持ち味の大島正樹。そして身長193cm、大学でキャッチャーからピッチャーに転向した山崎太陽。立石は今ドラフトの目玉として競合が確実視されていたが、大島と山崎については、指名があるかどうか未知数だというのが事前の評価だった。それを表すかのように、ホールの壇上には立石と部長、監督、コーチの席だけが用意されていた。

